レポート REPORT

【淡路島クエストカレッジ】mt×洲本市域学連携10周年 マスキングテープアートプログラム

淡路島ゼロイチコンソーシアムが主催する地域創生プログラム「淡路島クエストカレッジ」。今回、株式会社ワークアカデミーとの協働企画で、2023年8月後半から9月上旬の約3週間にわたり、mtのマスキングテープを使ったアートプロジェクトを実施しました。大阪経済大学と武庫川女子大学の大学生38名が参加しました。

2023年8月後半から9月上旬の約3週間にわたり、mtのマスキングテープを使ったアートプログラムを実施しました。今回はその様子をレポートします。

淡路島クエストカレッジについて

淡路島ゼロイチコンソーシアムが立ち上げた、大学生や若手社会人を中心とした多種多様な組織や個人が「冒険人」となり、淡路島・洲本市を中心に地域課題の解決や資源の利活用に挑戦。人や地域との繋がり、自身と地域の未来について考える場です。構想全体のコーディネートや、地域・行政・企業・大学と連携したプログラムの設計を行っています。2023年4月開校。

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大阪経済大学と武庫川女子大学の大学生38名が参加。2校合同での開催は、両校にとって初めての試みです。2023年8月後半から9月上旬の約3週間、リモート学習と洲本市での実地学習を行いました。

大阪経済大学と武庫川女子大学、それぞれ大学内での募集で、合計38名の大学生が参加しました。

”リサーチ&トライアル”がテーマ

今回のプログラムの内容は、大きく2つ。

・まちが賑わうイベントの開催に向けた町のリサーチとインタビュー

・mtのマスキングテープを使って洲本市役所庁舎をデザイン

2校の大学生がランダムに分かれ、6チームで活動。この2つのプログラムを通して、淡路島・洲本市が持つ地域課題や利活用できる資源を知り、まちの活性化案の提案と表現を行うことが目的です。

2023/8/23〜8/30 計5回の事前ワーク

株式会社ワークアカデミー重乃さんのファシリテーションのもと、計5回の事前ワークを実施。淡路島クエストカレッジの主催メンバーは洲本市からオンラインで参加しました。

まずは、各チーム初対面のメンバー同士、アイスブレイクをして、チームの目標設定を行います。

その後、淡路島や洲本市について、そして洲本市が今年域学連携10周年を迎えるにあたり、過去取り組んできた活動や思いについて、洲本市役所企画課の高橋さんからレクチャーを受けます。

その後、実際にmtのマスキングテープを使って、現地でリメイクするガラスと同じ大きさの枠を用意。今回のマスキングテープアートのテーマは、「洲本市域学連携10周年」。高橋さんから聞いた内容をもとに、各自思い思いに表現をします。

マスキングテープアートに挑戦

その後、やまぐちくにこさんからデザインの作り方や表現方法について、アドバイスを受けながら、少しずつデザインをブラッシュアップ。限られた時間の中で、意見を出し合いながらデザインを固めていきます。

デザインの中間発表。全員の前でプレゼンをします

チームによって、テーマは様々。写真のAチームはかいぼりプロジェクトを取り上げ、”繋”とタイトルをつけて、洲本市の「海」「かいぼり」「竹林」の繋がりを、大きく3色で表現。かいぼりが、海と竹林にもたらす影響を表しました。(写真の後も、さらにブラッシュアップ。)

現地での制作時間は、街中でのフィールドワークの時間も含めて約5時間。時間内に完成できるよう、当日の進め方や役割分担もメンバー同士で話し合い。準備を万端に、当日に臨みます。

2023/9/1 洲本市での実地ワーク

1週間前に初対面とは思えないほど、チームワークが深まった様子の学生たち。

オリエンテーションと昼食の後、マスキングテープアートを施す洲本市役所庁舎に場所を移して、制作活動を始めます。

効率よく作業が進むように、事前準備

今回マスキングテープを施す場所は、庁舎の正面玄関のすぐ隣。学生たちの制作活動中も、市民の方々や職員さん達が通りがかり、「何してるん?」と声をかけて下さったり、立ち止まって見学したりしていました。

また今回のプログラムは、制作活動と並行して、まちなかでのリサーチとまちの人へのインタビューも行います。11時30分から16時30分までの5時間で、2つのミッションをやり遂げられるよう、各チームで話し合って動き方を決めて、行動しました。

マスキングテープアートが完成!

タイムリミットの16時30分、全チーム時間内に2つのミッションをやり遂げ、洲本市役所に戻ってきました。

全6チームのアートが並ぶと、圧巻。大野地区の菜の花畑や、シェアホースプロジェクト、千草竹原地区の古民家プロジェクトなど、チームによって取り上げるテーマは様々。マスキングテープの形状を活かしながら、直線やジグザグ、図形と、異なった表現方法がアートの表情を作ります。

菜の花畑や、自然の循環、シェアホースプロジェクトなどテーマは様々
完成!

今回、マスキングテープアートを施したガラス面の裏側には、カッティングシートを貼りました。

マスキングテープアートの裏側は、域学連携10周年カッティングシート

2023/9/4 2校合同でまちなかインタビューのプレゼン発表

洲本市での実地ワーク後、場所を移して、まちなかリサーチとまちの人へのインタビューについて、各自の発表をまとめました。

今回は、まちの人に、” 洲本市街地エリアの「魅力スポット」 ” をインタビュー。地域情報誌には載らない知る人ぞ知るスポットや、思い出のあるスポット、気になるスポットなど、それぞれのおすすめ魅力スポットを聞きました。その上で、教えてもらった場所に足を運び、実際に自分たちの目で見ながら、その場所にどんなマスキングテープがあると面白いか、まちをマスキングテープを使って彩る活性化案について、提案を考えるというミッションです。

メンバー同士、気づきやアイデアをシェアしながら、プレゼン資料を作成。チーム毎に発表をしました。

Eチームは、曲田山公園が桜の名所だということを教えてもらい、公園に桜と豊かな緑をイメージしたマスキングテープアート案を考えました。公園がアートで賑やかになるだけでなく、桜のない時期も、桜の名所であることが伝わります。また、Cチームは、インタビューで「商店街の細い路地を抜けた先に、面白いものがあるよ。」と教えてもらい、路地を抜けた先の、古民家を改装したレンタルスペースを見つけました。地元の人に聞いたからこそ辿り着けた、フィールドワークの醍醐味です。

またどのチームも、高校生やお年寄りの方、様々な年代の方にインタビューをしましたが、「このまちには何もない。」と答えるまちの人が多かった、という感想が複数のチームから上がりました。一方で、「来てくれて、嬉しい。」と言って下さるまちの人がいたり、「何してるん?」と声をかけてくれたり、インタビューをすると丁寧に答えてくれる人が多かったという感想も。

2023/9/6〜9/7 マスキングテープを使ったまちの活性化案のプレゼン発表

武庫川女子大学の参加メンバーは、先日のプレゼン発表を踏まえ、引き続き”まちの活性化案”について、プレゼン発表を行いました。

インタビューを通して感じた課題に対して仮説を立て、マスキングテープを使ったまちの活性化案を考えます。誰でも簡単にアート制作できるマスキングテープの特徴を活かした、様々な世代が集まって楽しめるイベント案や、商店街やバスセンターといった人が集まりやすい場所をもっと活気づけるためのアイデアなど、様々なアイデアが出てきました。

おわりに

今回参加したメンバーにヒアリングをしたところ、

・今まで話し合いの場では他人任せのところがあったが、自分も意見を出して良いものを作ろうという気持ちが芽生えた。

・関わっていた人全員が本気でこの活動に取り組んでいるところを見て、気持ちを切り替えて、自分も本気で取り組むことができた。

・事前準備に一生懸命取り組んでいた分、現地へ行って成功させた時の達成感を感じられた。

・インタビューは緊張するが、地元の人と話ができたことは自分の自信に繋がった。

・洲本市を初めて訪れたが、地元の人目線でまちを歩けたことがよい経験だった。

このような感想が上がりました。

今回、2校合同開催でコミュニケーションを取るところからスタートし、約3週間で10回のワークと限られた時間で、2つのミッションに取り組むという、少し難易度が高めなプログラムでしたが、

初めて会う人と、初めての場所で活動する。その中で、自分と他人の考え方の違いを知り、意見を取り入れながら、自分の意見を伝えて、チームで形を作る充実感。これぞ、冒険人だと思える感想を、たくさん参加した学生さん達から聞くことができて、嬉しく思いました。

今回は、最後のまちの活性化案はアイデア発表まででしたが、今後継続しながら、自分たちが出したアイデアを形にすることができれば、地域にとっても、参加する冒険人にとっても、さらに良い相乗効果が生まれそうです。

洲本市役所庁舎のマスキングテープアートは、今月10月31日まで展示しています。ぜひ一度お立ち寄りください。