【シマトワークス インターンレポート】近畿大学 大隅愛斗

インターンにきたきっかけ

私がシマトワークスを知ったのは大学の講義でした。

私は近年話題となっているまちづくりや、むらづくりといった内容に興味を持っていてます。その分野を知ったのは大学に入ってからですが、私自身いわゆる“ふるさと難民”という存在で、両親はともに就職で大阪に出てきたので、“ふるさと“という場所を意識できないでいることにもやもやとしていました。また、私にとって大阪は人が多くて、気疲れが多い生活を送っていることも自覚していました。ただその生活しか知らない私にとって「生活を変えたい」と考えることはありませんでした。

そんな中、大学の講義で「今、都会から地方に移住して新たな生活のスタイルを送っている人がいる」「そういった移住者を支援するために働いている人がいる」という話を耳にするようになりました。「生活を変えたい」という気持ちで実際に移住した人が多くいること、またそのような活動を支援する存在がいることを知り、「私も将来自分の居場所をみつけよう」と思うようになりました。また3年になり就職活動が始まり、「地方でも都会でも人々が楽しく生活できるようなまちや、むらをつくる仕事をしたい」と考えるようになりました。その中で私の思う“いいまち”とは何かについても考えるようになりました。しかし、ここで“まちづくり”という仕事の曖昧さにも気づき、私自身がまちづくりにおいてどのような仕事がしたいのかも分かりませんでした。

そんな時、大学の講義でシマトワークスのことを知り、“はたらき方”や“ワーケーション”という言葉に興味を持ちました。シマトワークスは淡路島を舞台に様々なお仕事をされていて、私から見て“まちづくり”だと思える仕事がありました。そこで、“まちづくり”で私はなにができるのかを知る機会になるのではないかと感じ、担当の先生とその講義で話をされていた洲本市役所の職員の方にその場で申し出て、シマトワークスのみなさんにつないで頂きました。

インターンシップで活動した内容

「観光ルート」の提案で、自転車で洲本市を巡った際に洲本城より撮影

インターンシップの前に一度オンラインで顔合わせをし、私が何をしたいのかをシマトワークスの事業内容と照らし合わせてお話ししました。そしてインターンシップ中はシマトワークスのみなさんからこれは興味があるのではないかという仕事を提案して頂き、同行させていただくといった流れでした。

淡路ラボという団体の活動発表会や、IT×人材育成を行う企業のプレイベントに参加したり、そのほか色々な会議に立ち会わせて頂きました。合間をぬって淡路島のいろいろなところも案内していただきました。また、インターンシップ期間を通していくつか課題をこなしました。

ひとつは「淡路島大学構想」です。淡路島には総合大学が存在しないので、若者の流出が課題となっています。そこで、島外の学生が淡路島で学ぶ仕組みをつくることで若者を呼び込むこの構想について、同じようにインターンシップに来た私が実際に何を感じ、大学構想にどのような可能性を感じたかを考えました。

ふたつめは「観光ルートの提案」です。といっても難しい内容を課されたわけではなく、洲本市街地を自由に探索して私の感じたことを報告するといった内容でした。

この期間で感じたのは人のつながりの強さでした。インターンシップ期間中、シマトワークスのみなさんと淡路島内外の方々とのかかわりを多く見させていただきました。島内外問わずいろいろな方と様々な面で交流を行っており、商店街のお店の方とも交流が深いのが印象的でした。

普段大阪で人とのつながりとは無縁な生活をしていた私にとっては不思議な時間でした。現在、人のつながりの薄さやその生活スタイルを考えなおすことが話題になっています。一方で私は一人の時間も同じように必要だと感じています。今回感じた人とのつながりはその間を補うような関係でした。仕事と生活の面で密接にかかわっている関係や、仕事の面で信頼しあっている関係、長い付き合いがある関係など、個人個人で多様な人間関係を築いており、趣味や悩みを顔御合わせて共有する場を持っている、そのような関係は人間誰にでも必要なのではないかと感じました。

人間関係以外の自然や風景に関して、淡路島は山と海が近いので、「人工物より自然に囲まれた生活がしたい」という人には適した土地だというのを感じました。私は趣味のサイクリングなどで山や川をわざわざ目指さないと自然を感じられない場所に住んでいるのですが、淡路島は気軽にそういったアクティビティが行えるので、心のリフレッシュになると思います。また、淡路島ではゆったりと仕事をしている人が多いような印象を受けました。私の社会人のイメージは、ひたすら忙しくパソコンに向かって、夜遅くまで働くことだったのですが、今回見たのは自分たちのペースで働いている方々でした。

忙しくても本人がその中で幸せを見つけ、充実感の中で働けているなら、私はそのような働き方でもよいと思うのですが、今回は私の知らない新たな働き方を知り、多様な働き方を知ること、そしてどのはたらき方が自分に合っているのかを知ることが大切なのだと感じました。

インターンシップを終えて今感じていること

人生で初めて自分の全く知らない土地で一週間を過ごして感じたことは、地元が自分に適した場所かどうかは分からないということです。これは別に地元(私の場合は大阪)が悪いと言いたいわけではなく、個人個人に適した場所があるということです。

実際、淡路島での滞在を終えて帰宅した時、また行きたいという思いが強く残ってました。しかしそれは色々な人に支えられて成り立った時間だったので、実際一人で投げ出されたらまた違った感想になるかもしれません。ですが滞在期間中に感じたのびのびとした生活空間は私に合った空間であると感じました。

都会で人の多い場所で生活することが自分に適していて、一般的に言われている何もないような場所で生活することが苦痛だと感じる人は全然それでもいいと思います。ただ、なんとなく今住んでいる場所が自分にとって最適な場所でないと感じている場合、一度いろいろな場所をみてみることは大事だと思います。

普段の生活が都会での生活の場合、淡路島では違う変化に出会えると思います。淡路大学構想については現在も考えています。少し極端な考えですが、大学と言えばキャンパスが存在します。しかしこの構想を考えるにあたってそのキャンパスがそんなに重要なのかと考えるようになりました。学生がやりたいことをするために淡路島に集まってきて、みんなで新たなものを作る。また、地域の人と様々な関係を築き、人生経験や社会経験を積むことで人として成長できる、そんな場所になったらおもしろいのではないかと考えるようになりました。

未来のインターン生にむけて

私自身人が何か偉そうなことがいえるほど経験を積んできた人間ではないので、改めて長いこと述べることはないのですが、今回のインターンシップを通して、新たな文化を知ることの意義が少し分かりました。人は選択を迫られたとき、安定を取る方が好ましいと思います。ですが安定を取りすぎると、変化を求められたとき、また変化を求めたいときに何をしたらよいのか分からなくなります。その場合、答えなどはなく踏むべき順序を知っているかどうかが問題になるのですが、それが分からないから立ち止まってしまいます。

安定を取ってきたがために、社会に出ようとした際に常に不安が付きまといます。実際、シマトワークスのインターンシップ一日目はそんな不安を感じながら挑みました。ですが、シマトワークスのみなさんが真摯に向き合ってくださり、そのおかげで私も「不安になっているばかりではなく、しっかりと形を残そう」と集中することができました。 シマトワークスのインターンシップでは、あまりほかの企業では経験できないであろう面白い、新しい経験ができると思います。創造力が問われたりする機会も多く、答えが出ないことを考えるのは難しいことですが、きっと学生にとって意味のある時間になると思います。