【シマトワークス インターンレポート】〜優しさの中で生きる〜 東京大学 佐藤洸大

インターンをするきっかけ

僕は2022年4月より大学を1年間休学し、「淡路ラボ」という団体に所属しながら淡路島で活動してきました。その中で自分の活動の幅をさらに広げたいという思いから、シマトワークスの代表である富田さん(以下トミーさん)に何か一緒に活動したいと伝えたところ、快諾してくれてインターン生になりました。

farm studioで一緒にDIYをしたり、トミーさん企画のプログラムに参加したり、コワーキングスペースをお借りしたり。なんだかインターンというよりも、シマトワークスの皆さんと島暮らしを楽しむような形になりました。

しかしそれでもシマトワークスの皆さんはいわゆるインターンっぽい活動を全然しない僕のことを受け入れてくれました。

今回はシマトワークスの皆さんとの関わりを通して、僕が感じたことを書いていこうと思います。

シマトワークスの皆さんとの思い出

シマトワークス取締役の玉井さん(以下玉ちゃん)はよく僕に中島らもの話をしてくれました。中島らもの奇想天外で刺激的な思想は、いつも僕に新しい問いを与えてくれました。

玉ちゃんは、どんな変な考え方やアイデアも受け入れて面白がってくれます。

ある時僕が「玉ちゃんが製麺機を持っている」という噂を嗅ぎつけ、玉ちゃんと一緒にラーメン屋さんをやりたいと話したら、やろう!と言ってくれて、洲本にある商店街のイベントで実現することになりました。(結局玉ちゃんの製麺機は使わず、作ったのもラーメンではなくうどんでしたが笑) 玉ちゃんと話す中で、僕の無茶振りや変な考え方を面白がってくれる玉ちゃんの言葉に、僕は背中を押されることが何度もありました。

インターン活動の一環で、farm studioの小屋でDIYをした時の様子

同じく取締役の徳重さん(以下しげちゃん)と初めて会ったのは、しげちゃんのPURARE:という布小物のお店でした。

お店に入るなりすぐにしげちゃんがオレンジジュースを出してくれて、好きな名刺ケースを一つあげると言ってくれました。その時、これは一体どういう商売なんだろう?と思いましたが、今思うそれは商売ではなくしげちゃんの生き方だったのだと思います。

僕が友達を洲本に連れてきた時も、一緒に洲本のまち歩きをしてくれたり刺身を買ってきてくれたり、その底知れぬ優しさにいつも驚かされました。

僕が連れてきた神戸と島根の友達に、しげちゃんが刺身を振る舞ってくれている様子

トミーさんと飲みに行くと、トミーさんはひたすら僕に会社や周囲の人たちへの愛を語ってくれます。

嘘偽りなく会社への熱い想いを語る姿に、この社長と一緒に働ける社員の皆さんはなんて幸せなのだろうと思いました。そしてまだ何者でもない僕に対してもトミーさんは「期待している」と話してくれて、僕もその愛を感じることができました。

トミーさんは僕にとって職人のようです。

僕の中での職人とは、永遠に自己探求を続け、自分の満足を探している人。

そして生きるエネルギーが周りに伝播し、周囲の人たちが自然とワクワクさせられる人。 トミーさんが”生き方”を探求し続ける姿に、僕も自然とワクワクさせられました。

トミーさん企画の「予測不可能な世界の中での人生を楽しむ方法」の様子

ワーケーションHubではシマトワークスの社員である藤田さんの企画で交流会が不定期で開催されています。

僕も2回ほど参加したのですが、参加者が各地の食材を持ち寄ったり、貴重なお酒を持ち寄ったりなど、優しさが溢れる素敵な交流会でした。

僕はその後そこで知り合った方と一緒に釣りに行ったり、なるとオレンジの収穫をしに行ったりなど、Hubを拠点にさまざまな方と島の暮らしを楽しむことができました。

交流会の様子

シマトワークスのワーケーションhubに併設されているカフェ、farm studioテーブルと燕では、僕が作ったお弁当をみんなで食べる会を開催しました。

僕が初めて食べた時に感動したテーブルと燕のお弁当を、お世話になっている人たちに振る舞うという企画でした。

お弁当を作る会を通して気づいたのは、僕にとって「自分の大好きな人たちに、自分の大好きなもの・人を紹介すること」はこの上ない幸せなのだということです。それは単なる僕の自己満足に過ぎないのですが、その幸せが周りに伝播すれば、それで良いのだと思いました。

お弁当を食べる会で参加者15名ほどがお弁当を食べている様子

終わりに

今回のインターンを通して、シマトワークスの人たちの強さと優しさのある生き方に触れ、僕自身も自分の生き方・働き方を見つめ直すことができました。

シマトワークスの皆さんは、まるで何かを耕しているように見えます。長い年月をかけて、まだ言葉になっていない世界を作り出しているような。

淡路島生活を終えた僕も、これからきっと何かを耕し続けていくのだと思います。

それが何か今は言語化できないけれど、場所を問わず、手段を問わず、自分の中の探求活動を続けていきたいです。

【シマトワークス インターンレポート】近畿大学 大隅愛斗

インターンにきたきっかけ

私がシマトワークスを知ったのは大学の講義でした。

私は近年話題となっているまちづくりや、むらづくりといった内容に興味を持っていてます。その分野を知ったのは大学に入ってからですが、私自身いわゆる“ふるさと難民”という存在で、両親はともに就職で大阪に出てきたので、“ふるさと“という場所を意識できないでいることにもやもやとしていました。また、私にとって大阪は人が多くて、気疲れが多い生活を送っていることも自覚していました。ただその生活しか知らない私にとって「生活を変えたい」と考えることはありませんでした。

そんな中、大学の講義で「今、都会から地方に移住して新たな生活のスタイルを送っている人がいる」「そういった移住者を支援するために働いている人がいる」という話を耳にするようになりました。「生活を変えたい」という気持ちで実際に移住した人が多くいること、またそのような活動を支援する存在がいることを知り、「私も将来自分の居場所をみつけよう」と思うようになりました。また3年になり就職活動が始まり、「地方でも都会でも人々が楽しく生活できるようなまちや、むらをつくる仕事をしたい」と考えるようになりました。その中で私の思う“いいまち”とは何かについても考えるようになりました。しかし、ここで“まちづくり”という仕事の曖昧さにも気づき、私自身がまちづくりにおいてどのような仕事がしたいのかも分かりませんでした。

そんな時、大学の講義でシマトワークスのことを知り、“はたらき方”や“ワーケーション”という言葉に興味を持ちました。シマトワークスは淡路島を舞台に様々なお仕事をされていて、私から見て“まちづくり”だと思える仕事がありました。そこで、“まちづくり”で私はなにができるのかを知る機会になるのではないかと感じ、担当の先生とその講義で話をされていた洲本市役所の職員の方にその場で申し出て、シマトワークスのみなさんにつないで頂きました。

インターンシップで活動した内容

「観光ルート」の提案で、自転車で洲本市を巡った際に洲本城より撮影

インターンシップの前に一度オンラインで顔合わせをし、私が何をしたいのかをシマトワークスの事業内容と照らし合わせてお話ししました。そしてインターンシップ中はシマトワークスのみなさんからこれは興味があるのではないかという仕事を提案して頂き、同行させていただくといった流れでした。

淡路ラボという団体の活動発表会や、IT×人材育成を行う企業のプレイベントに参加したり、そのほか色々な会議に立ち会わせて頂きました。合間をぬって淡路島のいろいろなところも案内していただきました。また、インターンシップ期間を通していくつか課題をこなしました。

ひとつは「淡路島大学構想」です。淡路島には総合大学が存在しないので、若者の流出が課題となっています。そこで、島外の学生が淡路島で学ぶ仕組みをつくることで若者を呼び込むこの構想について、同じようにインターンシップに来た私が実際に何を感じ、大学構想にどのような可能性を感じたかを考えました。

ふたつめは「観光ルートの提案」です。といっても難しい内容を課されたわけではなく、洲本市街地を自由に探索して私の感じたことを報告するといった内容でした。

この期間で感じたのは人のつながりの強さでした。インターンシップ期間中、シマトワークスのみなさんと淡路島内外の方々とのかかわりを多く見させていただきました。島内外問わずいろいろな方と様々な面で交流を行っており、商店街のお店の方とも交流が深いのが印象的でした。

普段大阪で人とのつながりとは無縁な生活をしていた私にとっては不思議な時間でした。現在、人のつながりの薄さやその生活スタイルを考えなおすことが話題になっています。一方で私は一人の時間も同じように必要だと感じています。今回感じた人とのつながりはその間を補うような関係でした。仕事と生活の面で密接にかかわっている関係や、仕事の面で信頼しあっている関係、長い付き合いがある関係など、個人個人で多様な人間関係を築いており、趣味や悩みを顔御合わせて共有する場を持っている、そのような関係は人間誰にでも必要なのではないかと感じました。

人間関係以外の自然や風景に関して、淡路島は山と海が近いので、「人工物より自然に囲まれた生活がしたい」という人には適した土地だというのを感じました。私は趣味のサイクリングなどで山や川をわざわざ目指さないと自然を感じられない場所に住んでいるのですが、淡路島は気軽にそういったアクティビティが行えるので、心のリフレッシュになると思います。また、淡路島ではゆったりと仕事をしている人が多いような印象を受けました。私の社会人のイメージは、ひたすら忙しくパソコンに向かって、夜遅くまで働くことだったのですが、今回見たのは自分たちのペースで働いている方々でした。

忙しくても本人がその中で幸せを見つけ、充実感の中で働けているなら、私はそのような働き方でもよいと思うのですが、今回は私の知らない新たな働き方を知り、多様な働き方を知ること、そしてどのはたらき方が自分に合っているのかを知ることが大切なのだと感じました。

インターンシップを終えて今感じていること

人生で初めて自分の全く知らない土地で一週間を過ごして感じたことは、地元が自分に適した場所かどうかは分からないということです。これは別に地元(私の場合は大阪)が悪いと言いたいわけではなく、個人個人に適した場所があるということです。

実際、淡路島での滞在を終えて帰宅した時、また行きたいという思いが強く残ってました。しかしそれは色々な人に支えられて成り立った時間だったので、実際一人で投げ出されたらまた違った感想になるかもしれません。ですが滞在期間中に感じたのびのびとした生活空間は私に合った空間であると感じました。

都会で人の多い場所で生活することが自分に適していて、一般的に言われている何もないような場所で生活することが苦痛だと感じる人は全然それでもいいと思います。ただ、なんとなく今住んでいる場所が自分にとって最適な場所でないと感じている場合、一度いろいろな場所をみてみることは大事だと思います。

普段の生活が都会での生活の場合、淡路島では違う変化に出会えると思います。淡路大学構想については現在も考えています。少し極端な考えですが、大学と言えばキャンパスが存在します。しかしこの構想を考えるにあたってそのキャンパスがそんなに重要なのかと考えるようになりました。学生がやりたいことをするために淡路島に集まってきて、みんなで新たなものを作る。また、地域の人と様々な関係を築き、人生経験や社会経験を積むことで人として成長できる、そんな場所になったらおもしろいのではないかと考えるようになりました。

未来のインターン生にむけて

私自身人が何か偉そうなことがいえるほど経験を積んできた人間ではないので、改めて長いこと述べることはないのですが、今回のインターンシップを通して、新たな文化を知ることの意義が少し分かりました。人は選択を迫られたとき、安定を取る方が好ましいと思います。ですが安定を取りすぎると、変化を求められたとき、また変化を求めたいときに何をしたらよいのか分からなくなります。その場合、答えなどはなく踏むべき順序を知っているかどうかが問題になるのですが、それが分からないから立ち止まってしまいます。

安定を取ってきたがために、社会に出ようとした際に常に不安が付きまといます。実際、シマトワークスのインターンシップ一日目はそんな不安を感じながら挑みました。ですが、シマトワークスのみなさんが真摯に向き合ってくださり、そのおかげで私も「不安になっているばかりではなく、しっかりと形を残そう」と集中することができました。 シマトワークスのインターンシップでは、あまりほかの企業では経験できないであろう面白い、新しい経験ができると思います。創造力が問われたりする機会も多く、答えが出ないことを考えるのは難しいことですが、きっと学生にとって意味のある時間になると思います。

ワーケーションでの宿の選び方!淡路島でおすすめの宿泊施設も紹介

自宅と会社を往復する日々から脱却し、開放感あふれる環境で仕事に臨めるのがワーケーションの魅力です。ただし、自分が好きな場所や旅行したいスポットに“ただ行けば良い”という考えでは、納得のいく“ワーク”と“バケーション”にならない可能性があります。

というのも、ワーケーションでは行き先だけでなく、宿選びも肝心だからです。ここでは、ワーケーションに欠かせない宿選びのポイントや、淡路島の洲本でおすすめの宿を紹介します。


菅 堅太(すがけんた)

2015年関西学院大学総合政策学部卒業。1992年大阪生まれ。東京の出版社や編集プロダクションで務めたのち、Web記事制作の会社を設立。自身で記事執筆を行う傍ら、フリーライターの方たちの育成に尽力している。

ワーケーションでの宿選びのポイント

ワーケーション中の仕事は、リモートで行うことがほとんどでしょう。カフェやコワーキングスペースなどでも仕事ができますが、大事な会議や機密性の高い情報を扱う場合は、人がいない落ち着いた空間が必要です。ホテルや宿の自室であれば、電源やWi-Fiが備えられているケースが多く、静かな場所で仕事に臨めます。

ワーケーションを満喫する上で押さえておきたい“宿選びのポイント”について、詳しく見ていきましょう。

仕事しやすい環境が整っているか

仕事と休暇を両立させられるワーケーションですが、ワークを円滑に進めるために、以下の4つを確認しましょう。

  • 電源の有無
  • Wi-Fi・通信環境
  • チェックイン・アウトの時間
  • 作業場所の多さ

自室以外にも充電場所やWi-Fiがあれば、場所を変えて仕事ができます。ポケットWi-Fiは便利ですが、場所によっては通信速度が遅くなり、オンライン会議などで通信障害が起こる可能性もあります。そのため、宿のWi-Fiが利用できるか、通信速度が速いかをチェックしておきましょう。

“チェックイン・アウトの時間に融通を効かせられるか”も確認しておきたいポイントです。仕事の都合で早くチェックインしたい、あるいは少し長く宿を使いたい方は、自身のスケジュールに合った宿を選びましょう。

アクセスの良さや周辺の景観

ワーケーションでの宿選びでは、アクセスの良さも重視しておきたいところです。

ひと口に「アクセス」といっても、人によって気になるポイントが異なるでしょう。以下にチェックポイントの例を挙げたので、宿選びの参考にしてみてください。

  • 自宅から宿泊施設まで
  • 宿から仕事場所(シェアオフィスなど)まで
  • 宿や仕事場所からお店まで

ワーケーションはいつもと違った場所で仕事ができるのが特徴ですが、滞在中の疲労を残さないためにも、仕事の息抜きや観光が気軽にできる宿を選ぶことが肝心です。

また地元の居酒屋などは、お酒好きの方にとっては気になるポイントでしょう。お酒以外にもオシャレなカフェや雑貨屋などがあれば、仕事以外の時間の楽しみが増えるでしょう。

外出をしなくても、仕事中でも窓から見える景色に癒やされるのもワーケーションならでは。自然の景観でリラックスしながら仕事に望みたい方は、宿からの眺めも重視してみてください。

リラックスできる設備があるか

宿泊場所によっては、Barや温泉を備えているところもあります。

サーフィンやウォーキング、街歩きなどのアクティビティを楽しんだあとは、温泉で汗を流し、仕事や余暇の疲れを取っても良いでしょう。

お酒が好きな方は、Barが併設されたホテルもおすすめです。ご当地ならではの地酒や好みのお酒を片手に、ゆっくりと流れる時間を楽しんでみてください。

一人で行くか複数人で行くか

一人でワーケーションに行く場合は、ぶらりと散歩したり居酒屋を巡ってみたりと、気軽に動きやすい素泊まりOKの宿でも良いでしょう。中には「ワーケーションプラン」を用意している宿もあり、通常よりも安く宿泊できるケースもあります。宿泊人数が多いほど一人当たりの料金を抑えられる「一棟貸し」であれば、友人や同僚を誘ってみるのもおすすめです。

ワーケーションは有給休暇との相性が良いため、仕事と休暇のバランスを取って家族旅行を行う方もいます。家族と一緒に行く場合は、仕事のしやすさだけでなく、家族がリラックスして過ごせる宿を探してみましょう。

このほかにも、宿を選ぶ際は一緒に行く人や自分のこだわり、ワーケーションの楽しみ方に合わせて宿を選ぶのも一つの手です。

宿選び以外にも、ワーケーションで気をつけておきたいポイントがあります。以下の記事ではメリット、デメリットに分けて紹介しているので、参考にしてください。

淡路島の洲本でワーケーションにおすすめの宿

海や山といった自然だけでなく、地域の魅力あふれるスポットの一つが淡路島です。中でも洲本には、昭和の雰囲気が漂う「レトロこみち」や静かな空間が広がる「大浜海水浴場」などがあり、ワーケーションにぴったりの場所といえます。

そこでここからは、洲本でワーケーションを行う方におすすめの宿を8軒ご紹介します。宿ごとの特徴も掲載しているので、自身のスタイルに合った宿を探してみましょう。

また、2021年の5月に完成したワーケーションスペース「Workation Hub 紺屋町」も洲本にあります。法人・個人を問わず利用できるほか、地元の食材を扱うカフェも併設されているので、淡路島の洲本エリアで作業場所をお探しの方は、気軽にお越しください。

【洲本でおすすめのホテル】淡路島洲本温泉 海月館

出典:淡路島洲本温泉 海月館 公式HP

大浜海水浴場のそばに建つ「淡路島洲本温泉 海月館」。雄大な海の眺望が楽しめるパノラマ大浴場や、心地よい潮風の香りが感じられる展望露天風呂などがあり、温泉好きにはたまらない宿です。1階には、昼はコーヒーラウンジ、夜はオープンバーとなる“プラバー”もあるので、ちょっとした息抜きも館内で過ごせます。

また、ひとり旅やワーケーションとして泊まれるよう、素泊まりプランがあるほか、家族や友人と泊まれるプランも豊富。プランによっては、淡路島でとれる旬の食材を使った料理が味わえるため、ご自身の宿泊スタイルに合わせてプランを選んでも良いでしょう。

【淡路島洲本温泉 海月館の詳細】
住所:兵庫県洲本市海岸通1-3-11
アクセス:「洲本IC」から車で約15分(Workation Hub 紺屋町から徒歩約12分)
HP:https://www.kaigetsu.jp/
1泊の料金:8,800円〜

【洲本でおすすめのホテル】ハーバーホテル海月

出典:ハーバーホテル海月 公式HP

海月館の本館に隣接する「ハーバーホテル海月」は、気軽に宿泊したい方向けの宿です。館内には基本的なアメニティをはじめ、Wi-Fiや喫茶などのワーケーションにぴったりな設備が整っています。温泉はありませんが、「淡路島洲本温泉 海月館」の温泉を利用できるのは嬉しいポイント。

さらに、周辺では釣りやクルージング、ダイビングといったアクティビティも楽しめるため、仕事終わりや休日に趣味の時間を過ごすのもおすすめです。

【ハーバーホテル海月の詳細】
住所:兵庫県洲本市海岸通1-3-2
アクセス:「洲本IC」から車で約15分(Workation Hub 紺屋町から徒歩約10分)
HP:https://www.kaigetsu.jp/select/harbor_hotel_kaigetsu/
1泊の料金:6,000円〜

【洲本でおすすめのホテル】シティー海月

出典:シティー海月 公式HP

ビジネスホテルとして設立された「シティー海月」は全室で通信設備が整っており、ワーケーションの利用に適しています。また、客室はツインやトリプルもあるため、家族や友人と泊まっても良いでしょう。

こちらのホテルも大浜海水浴場のそばにあるので、手軽に観光を楽しめます。ただし、23時以降は自動ドアがロックされるので、部屋の鍵がないと入れません。時間を忘れるほど遊びすぎないよう、ご注意ください。

【シティー海月の詳細】 
住所:兵庫県洲本市海岸通2-3-11
アクセス:「洲本IC」から車で約15分(Workation Hub 紺屋町から徒歩約10分)
HP:https://www.city-kaigetsu.net/
1泊の料金:4,200円〜

【洲本でおすすめのホテル】島海月

海月館の別館である「島月館」は、アパートを簡易改装したコンドミニアムの宿。滞在型施設のため、タオルや浴衣といったホテルのアメニティはありませんが、キッチンや冷蔵庫、Wi-Fi、テレビなどが完備されています。

海月館本館の温泉も利用できるので、淡路島に住んでいる気分を味わいながら、日常から離れたひと時を楽しんでみてはいかがでしょう。

【島海月の詳細】
住所:兵庫県洲本市海岸通2-4-35
アクセス:「洲本IC」から車で約15分(Workation Hub 紺屋町から徒歩約10分)
HP:https://travel.rakuten.co.jp/HOTEL/139849/139849.html
1泊の料金:4,728円〜 

【洲本でおすすめのホテル】夢海遊 淡路島

出典:夢海遊 淡路島 公式HP

大浜海岸のほぼ正面に建ち、洲本城や三熊山公園へのアクセスも容易なホテルが「夢海遊 淡路島」です。2020年7月には6階にある温泉大浴場がリニューアル。温泉に浸かりながら三熊山の自然を感じられる“森のSPA”や、潮風が心地よい“海音の森”など、淡路島の自然を生かした空間が癒しのひと時を与えてくれます。

また、山海の幸を丁寧に調理した食事も特筆すべきポイントです。四季彩ダイニングの「浜房」はオープンキッチンとなっており、調理中の光景も目にできます。このほか、個室料亭の「磯部亭」でも淡路島の滋味深い料理に舌鼓を打てます。
宿泊費はビジネスホテルよりも少し高めですが、ぜっかくのワーケーションを特別な時間にしたい方におすすめの宿です。

【夢海遊 淡路島の詳細】
住所:兵庫県洲本市山手1-1-50
アクセス:「洲本IC」から車で約15分(Workation Hub 紺屋町から徒歩約20分)
HP:https://www.yumekaiyu.com/
1泊の料金:11,000円〜

【洲本でおすすめの民宿】swiss 1960

「swiss 1960」は、淡路島でとれる新鮮な食材を使った料理が楽しめるゲストハウスです。ミシュランにも掲載されたレストラン“いたりあ亭”が運営しており、宿泊できるのは1日1組まで。そのために、出される食事は“生うにのスパゲッティー”や“黒鮑のムニエール”、“淡路牛のステーキ”など、素材の味を生かした料理が膳を彩ります。
隠れ家的な宿で極上の料理を楽しみたい方は、swiss 1960に滞在してみてください。
いたりあ亭はランチも営業しているので、洲本でのワーケーション中に立ち寄ってみるのもおすすめです。

【swiss 1960の詳細】
住所:兵庫県洲本市本町4-3-24
アクセス:「洲本IC」から車で約5分(Workation Hub 紺屋町から徒歩約5分)
HP:https://hotel.travel.rakuten.co.jp/hinfo/162806/
1泊の料金:6,000円〜

【洲本でおすすめの民宿】ほたるの宿

出典:洲本レトロこみち Facebook

昭和の面影を残す“レトロこみち”沿いに建つ「ほたるの宿」は、1棟貸しの宿です。民家を活用しているため、淡路島での生活感を楽しめるのも魅力的。レトロこみちにはカフェやレストランなどの飲食店も数多くあるので、ほたるの宿を拠点に地元のお店を回ってみても良いでしょう。
他の宿泊客がいないため、複数人での滞在がおすすめ。民泊形式なので、ホテルのようなアメニティはありませんが、忘れた時は近くのコンビニなどで用意できます。
サイクリストの宿としても利用できるため、自宅から宿まで自転車で向かってみるのも面白いかもしれませんね。

【ほたるの宿の詳細】
住所:洲本市栄町2丁目1-10
アクセス:アクセス:「洲本IC」から車で約10分(Workation Hub 紺屋町から徒歩約5分)
HP:https://www.instagram.com/p/CJgTfpCjCC1/
1泊の料金:3,000円〜 

【洲本でおすすめのホテル】エトワール生石

静かな場所でワーケーションを行いたい方におすすめなのが「エトワール生石」です。洲本市といっても、海月館系列のホテルよりもさらに南下し、海と山に囲まれた場所にあります。合宿や研修施設としても利用されているため、大人数での滞在も可能。
館内は無線LANが使えるほか、自室だけでなくロビーや小会議室、セミナールームなどで作業ができるので、気分に合わせて仕事場所を変えても良いでしょう。

また、滞在中の食事は海の見える食堂で味わえるほか、手ぶらで楽しめるBBQ場も隣接されているので、野外での食事を満喫できます。BBQの食材は持ち込みでも問題ありませんが、宿に用意してもらう場合は4名分から受け付けている点にご注意ください。

【エトワール生石の詳細】
住所:兵庫県洲本市由良町由良2605-1
アクセス:「洲本IC」から車で約30分(Workation Hub 紺屋町から車で約20分)
HP:http://www.etowa-ru.takataya.jp/index.html
1泊の料金:5,760円〜 

目的に合った宿で仕事も余暇も満喫しよう!

ワーケーションで遠方に行く際は、仕事のできる環境が整っているかどうかを確認することが重要です。勤めている会社でワーケーションが認められていても、行き先で十分な仕事ができなければ、せっかくの時間ももったいないものになるかもしれません。
ここで紹介したポイントを参考に、ぜひあなたにあった宿を見つけてみてください。

息抜きにウォーキングはいかが?洲本を満喫する3つのコース

リモートワークを行いながら、観光地や近隣のホテルなどで休暇を楽しむ新時代の働き方がワーケーションです。いつもとは違った環境で働くことで、社員の生産性が向上したりリフレッシュ効果が得られたりします。
数多くのメリットがあるワーケーションですが、息抜きや打ち合わせなどの時にウォーキングに出かけてみませんか?
この記事では、ウォーキングが仕事と心に与える好影響をはじめ、淡路島の洲本市に誕生したシェア型サテライトオフィス「Workation Hub 紺屋町」で楽しめるウォーキングコースもご紹介します。


菅 堅太(すがけんた)

2015年関西学院大学総合政策学部卒業。1992年大阪生まれ。東京の出版社や編集プロダクションで務めたのち、Web記事制作の会社を設立。自身で記事執筆を行う傍ら、フリーライターの方たちの育成に尽力している。

ワーケーション中はウォーキングに出かけよう

山や海などの豊かな自然が広がる場所で働く”そんなことを想像しただけでワクワクしませんか?
しかし、せっかく遠出しているのであればワークスペースだけに籠もらず、外に広がる自然を味わってみてください。
自転車や車などを使っても良いですが、ワーケーション先での時間をゆっくりと過ごすにはウォーキングがおすすめです。乗り物の手配や出かける準備をする必要がなく、誰でも手軽に行えます。
また、ウォーキングは仕事や自身の心にもプラスに働くアクティビティです。どんなメリットを持っているのか、見ていきましょう。

ウォーキングのメリット

ウォーキングには、以下にまとめた3つの効果があると言われています。

1. 血行が促進され脳がスッキリ!

足は「第二の心臓」と言われるほど、体内の血流に欠かせない部分です。
有酸素運動のウォーキングによって血液の循環が促進され、全身に酸素と栄養が行き届きます。それにより脳がすっきりとするほか、血圧を下げる効果も得られると言われているのです。
さらに、筋肉が刺激されることで骨粗しょう症の予防も期待できます。

2. リラックスでき仕事にメリハリをつけられる

ウォーキングが健康に作用する一方で、外的要因からもプラスの効果が得られます。
木々の生い茂る道を歩けば、森林浴の効果も得られるでしょう。樹木から発せられる“フィトンチッド”を浴びることで、ストレスの低減や緊張の緩和などの効果があると言われているのが森林浴なのです。歩くだけでもセロトニンが分泌されるので、より高いリラックス効果を得られます。
また、仕事中に適度な休憩を挟むことも、集中力を持続させるには必要なことです。息抜きに近くを散歩するだけでも、十分にリフレッシュできるでしょう。

3. 仕事へのモチベーションが高まる

歩行することで、ドーパミンやセロトニンといった幸福ホルモンだけでなく、アドレナリンの分泌が促されます。座っている状態は「体が休んでいる」と脳が認識してしまうため、着席時間が長くなるほどに認知機能が低下してしまいます。
そこで、仕事の合間に適度なウォーキングを取り入れれば、脳の働きが活発になり仕事へのモチベーションも高まるでしょう。

このように身体的な効果が得られるほか、精神的にも好影響をもたらしてくれるのがウォーキングなのです。

淡路島でおすすめのウォーキングコースを紹介

ここからは、淡路島の洲本市でおすすめのウォーキングコースを3つご紹介します。

いずれも「Workation Hub 紺屋町」から近い「東光湯」をスタート地点にしていますが、ワーケーション以外の用事で洲本市を訪れる方もぜひ歩いてみてください。

【淡路島でウォーキング】①曲田山往復コース

最初に紹介するのは、「曲田山(まがたやま)往復コース」です。昭和レトロな外観が特徴的な「東光湯」から出発し、南方にある標高約80mの「曲田山」を目指します。

スタート地点の東光湯は洲本商店街の一角にあります。道には城下町の趣あふれる「レトロこみち」が続いており、古民家を活かしたカフェや雑貨屋など、ついつい立ち寄りたくなるお店が並ぶスポットです。

出典:YAMAP

レトロこみちを数分歩くと、曲田山の入り口に到着。山といっても傾斜が緩く、道も整備されているので楽に登れます。

出典:YAMAP

曲田山の頂上からは、眼下に広がる洲本の町並みが見渡せます。また、公園や展望台もあり、潮風の香りに包まれながらのんびりと過ごしても良いでしょう。

曲田山往復コースは片道15分ほどなので、仕事の息抜きにはぴったりかもしれません。また、帰路では東光湯に立ち寄ってウォーキングでかいた汗を流し、仕事の疲れをとるのもおすすめです。

曲田山 往復コース / Kazuyuki Nagaokaさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ

【淡路島でウォーキング】②三熊山往復コース

続いて、往復1時間ほどの「三熊山(みくまやま)往復コース」をご紹介します。
標高約133mの三熊山の頂上には、国指定史跡にも認定された山城「洲本城址(別名:三熊城)」があります。築城当時の姿は目にできませんが、500年近く経った今でも模擬天守や石垣などを見ることが可能です。

出典:YAMAP

最初は曲田山コースと同様の道を進みますが、三熊山コースでは曲田山の入り口の前を通り過ぎて行きます。
道案内の柱も立っているので、スマホで調べることなく歩けるのは嬉しいポイントです。

出典:YAMAP

三熊山へと向かう近畿自然歩道を歩いていくと、少しずつ景色が山の表情へと移り変わっていきます。
道を覆うように木々が生い茂っているので、夏場でも涼しさを感じられるでしょう。

出典:YAMAP

道中には、明治時代に活躍した教育者・原来太郎(はららいたろう)の碑が立っていたり、大自然の力を感じさせる木々が目にできたりと、目につくものが新鮮に感じるかもしれません。

出典:YAMAP

山道を進んで行くと、洲本城が見えてきます。現在の城は昭和天皇の即位式を記念して建てられた模擬天守ですが、城下を見下ろすようにそびえる姿は、ぜひ見て欲しいポイント。

130mを超える高さからは、洲本だけでなく海の向こうにある大阪や和歌山まで見えます。人の暮らしと自然が調和した洲本の町並みを見ていると、心安らぐひと時を過ごせます。

約60分の道程ですが、山や海の自然をはじめ洲本城のある空間が、仕事に追われる慌ただしい時間や日々の疲れを忘れさせてくれるでしょう。

三熊山(洲本城跡)往復コース / Kazuyuki Nagaokaさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ

【淡路島でウォーキング】③三熊山経由洲本温泉コース

最後に紹介する「三熊山経由洲本温泉コース」は、ウォーキングだけでなく洲本温泉も楽しめるルートです。
上で紹介した「三熊山」のさらに奥へと進み、海沿いに建つ洲本温泉をゴールにしています。

出典:YAMAP

洲本城の建つ頂上は絶好のビュースポット。ベンチも設置されているので、ここで休憩を挟んでも良いでしょう。

出典:YAMAP

洲本の町並みや海の眺望を楽しんだあとは、往時の姿を残す石垣を下っていきます。
ここまでの石垣を積み上げるのに、どれだけの時間と労力がかかったのでしょうか。

出典:YAMAP

三熊山の坂を下って行くと舗装道に出ますが、さらに進むとオーシャーンビューの景色が広がります。

出典:ホテルニューアワジ

洲本温泉は、海沿いに建つ宿で楽しめます。温泉に浸かり日々の疲れをじんわりと癒しながら、海の眺望をお楽しみください。

出典:YAMAP

温泉を楽しんだ後も徒歩で帰る場合は、海風の心地良さを味わいながらシーサイドウォークを楽しんでみましょう。

三熊山経由洲本温泉コース / Kazuyuki Nagaokaさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ

ウォーキングの楽しみ方と洲本散策のおすすめスポット

健康や仕事へのメリットを持つウォーキングですが、楽しみながら歩いた方がよりリフレッシュできます。
洲本市のウォーキングを楽しむためのポイントや、町のおすすめスポットを見ていきましょう。

洲本市エリアでのウォーキングの楽しみ方

洲本の魅力を存分に楽しむために、ウォーキング中は以下に挙げた点を意識してみてください。

  • 海や土、森の匂いを感じたり、触ったりしてみる
  • 地面の感触に意識を向けてみる
  • オンライン打ち合わせを外でやってみる

自然あふれる洲本市では、潮風の心地良い香りや山に棲む鳥たちのさえずりが日々の疲れを癒してくれます。こうした自然に触れるウォーキングも、ぜひ淡路島のワーケーションで体験してもらいたいポイントです。
また、ウォーキング中にオンラインの打ち合わせを行うものおすすめ。打ち合わせ中もずっと歩き続ける必要はなく、少し落ち着きたい時に岩の上に腰かけたり、海辺に座ったりして、いつもとは違った環境で打ち合わせをしてみてください。
目や耳、鼻といった自身の五感で洲本の自然を受け止めれば、新たなアイデアやより良い提案ができるかもしれません。

洲本の町散策におすすめのスポット

古くから続く城下町の面影を残しつつ、レトロな町並みが広がる洲本。中でもウォーキングコースでも紹介した「レトロこみち」には、レストランやカフェ、雑貨屋さんなどの見所が数多くあります。

また、古い長屋を活かした「Workation Hub 紺屋町」は、ワーケーション拠点として活用できるほか、カフェも併設されています。個人の方でも作業スペースを利用できるので、淡路島を訪れる方は、気軽に立ち寄ってみてください。

難しいことは考えず気楽に歩こう!

ウォーキングやおすすめのコースについて紹介しましたが、ここで紹介した楽しみ方やルートに従う必要はありません。
散歩中に見つけたカフェに入ったり、歩き疲れたら休んだりワークスペースに戻ったりしても良いのです。 気の向くままにウォーキングを楽しみ、心ゆくまで淡路島の魅力を味わってみてください。

【法人向け】企業がワーケーションを導入するメリット・デメリット|実施するなら淡路島がおすすめ

仕事(Work)と休暇(Vacation)を両立させた造語として、「ワーケーション」という言葉が誕生しました。近年は、SDGsや働き方改革に積極的に取り組む企業の数が増加傾向にあり、従業員の新しい働き方の一つとしてワーケーションが注目されています。
しかし、企業でワーケーションを導入するにあたって、具体的なメリットやデメリットの把握が欠かせません。なんとなくワーケーションを導入してしまっては、社員の業務効率が低下するだけでなく、コストも無駄に払うことになるでしょう。

そこで、ワーケーションの導入を考えている企業がチェックしておきたいポイントを解説します。


菅 堅太(すがけんた)

2015年関西学院大学総合政策学部卒業。1992年大阪生まれ。東京の出版社や編集プロダクションで務めたのち、Web記事制作の会社を設立。自身で記事執筆を行う傍ら、フリーライターの方たちの育成に尽力している。

ワーケーション導入のメリット

いつものオフィスとは違う場所で仕事に臨めるほか、余暇の観光なども楽しめるワーケーションですが、どういったメリットがあるのでしょうか。
企業と社員、2つの視点でご紹介します。

企業にとってのメリット

まずは、企業がワーケーションを導入することで得られる3つのメリットを以下にまとめました。

社員の満足度を高められる

社内にワーケーションの制度を導入すれば、利用した社員のエンゲージメント向上が期待できます。
ワーケーションは、都会から離れた観光地などで仕事を行うことが多いため、オン・オフの切り替えが用意に可能です。
会社の制度として設けられていれば社員も利用しやすく、自社への満足度も高まるでしょう。

働き方改革や福利厚生としてアピールできる

企業にとって「優秀な人材をいかに確保するか」は、経営を続けていく上でも重要な要素の一つです。
新卒や転職者は、企業の福利厚生や従業員の働き方などを参考にしているため、働き方改革への取り組みや福利厚生の一環として、ワーケーションは大きなアピールポイントになります。

地域や人脈の幅が広がる

ワーケーションの魅力は、従業員の満足度向上や福利厚生だけでなく、事業にとって好影響を与える可能性を持っています。
ワーケーションの実施場所によりますが、淡路島に新設されるシェア型サテライトオフィスでは、複数の企業やフリーランスの方が利用できるのが大きな魅力です。
新たな人脈の形成に繋がる可能性があるほか、淡路島に根ざした企業が運営を行なっており、企業同士のマッチングや経営に関する相談なども可能です。

ワーケーションを行う場所で生まれたご縁から、新規案件を紹介してもらえることもありえるため、ワーケーションは高いポテンシャルを秘めた取り組みといえます。

社員にとってのメリット

続いて、従業員が得られるメリットを紹介します。

仕事へのモチベーションが高まる

まず、リゾート地などの自然や観光スポットがある場所は、誰しも気分が高まるものです。満員電車や都会の喧騒から離れられるワーケーションでは、山や海などを感じながら仕事に臨めるため、従業員のモチベーションも高まります。
また、ワーケーション制度と休暇と合わせることで、長期滞在も可能なので、従業員のワークライフバランスにも好影響を与えられるでしょう。

作業効率が高まる

ワーケーションでの仕事は主にリモートワークが中心となるため、オフィスに掛かってくる営業電話などの対応も不要です。また、人によっては他の社員から話しかけられることで業務が滞ることもあるでしょう。
オフィスから離れた地で仕事ができるワーケーションなら、自身の作業に集中して取り組めるのが大きなメリットと言えます。

ストレス軽減

仕事に取り組みやすい環境が整っているだけでなく、手軽に休暇を楽しめるのもワーケーションの特徴です。
例えば、散歩することで神経伝達物質のセロトニンが分泌され、ストレス低減の効果が期待できます。特にワーケーション実施地が森林の多いエリアなら、フィトンチッドと呼ばれる樹木の成分から、より高いリラックス効果を得られるでしょう。

さらに、体を動かすことで脳への血流が促され、アイデアが出やすくなるという研究結果もあるため、結果的に業務が捗ることに繋がるかもしれません。

ワーケーション導入のデメリット

ワーケーションは企業や従業員にとっての利点が数多くありますが、導入することによって生じるデメリットが全くないとは言い切れません。
ここでも、企業と社員の2つの視点から紹介します。

企業にとってのデメリット

ワーケーション導入を検討している企業は、コストや社員の働き方などを把握しなければ、せっかくの取り組みも効果が得られない可能性もあります。
逆に言えば、以下に挙げた4つのポイントをクリアすることで、ワーケーションのメリットを存分に得られるため、ぜひ確認しておきましょう。

導入コストがかかる

ワーケーションを行うためには様々な準備を行う必要があり、それに伴って時間や金銭的なコストが生じてきます。
実施地ではリモートワークが主体となるので、インターネットなどの通信機器が整った環境が欠かせません。企業によっては、新たにPCを手配したりオンライン会議用のソフトを用意したりする必要性が生じるでしょう。
ワーケーションに取り組む企業は、「自社で導入すれば、どれくらいのコストがかかるのか」を把握しておく必要があります。

セキュリティ面の整備

遠隔で仕事を行うワーケーションでは、作業をする環境のセキュリティにも注意しなければなりません。
不特定多数の人が出入りできる場所で仕事を行なってしまうと、PCなどの危機が盗難に遭うリスクも考えられます。また、カフェなどのフリーWi-Fiでログインすると、アカウントが乗っ取られる危険性もあるでしょう。

ワーケーション導入に際し、事前にシェアオフィスなどのワークスペースを借りるのも一つの手です。その場合、自社ではどのレベルまでセキュリティを求めるのかを明確にしておきましょう。

勤怠管理が難しい

社員が集まる本拠のオフィスと異なり、ワーケーションでは従業員の勤怠管理が難しい点もデメリットに挙げられます。また、業務内容によっては進捗管理を行いにくく、人事もワーケーションに向かった社員の人事評価を付けづらくなるかもしれません。
ワーケーションを導入する際は、勤怠ルールを設けるのか、勤怠管理システムを導入するのか、事前に決めておくのが無難です。

導入できない企業もある

企業によっては、ワーケーションの導入が困難なケースがあることも把握しておきましょう。
特にホテルや飲食店といったサービス業は仕事場から離れづらいため、デスクワークがメインの業界に比べるとハードルが高いと言えます。

社員にとってのデメリット

企業にとってのデメリットは、環境を整えるために配慮すべきポイントでしたが、社員も仕事をする上で知っておくべきデメリットがあります。

オン・オフの切り替えが必要

リゾート地や観光地でリフレッシュしながら仕事に臨めるワーケーションですが、旅行気分が抜けずにON/OFFの切り替えができない方もいます。
企業の管理体制が整っていなければ、従業員もノルマや目標を持たずにだらだらと仕事を進めることになりかねないでしょう。

しかし、企業側の体制にかかわらず、社員自身が「今日はここまでやる」「2時間おきに15分の休憩をとる」などのルールを決めることが大切です。
業務が滞り経営に悪影響が出た場合は、せっかくのワーケーション制度を企業が取りやめる可能性もあるため、仕事と休みのバランスを調整しましょう。

顧客対応が難しくなる場合がある

本来のオフィスから離れてワーケーションに出かけていると、顧客への対応が疎かになる可能性もあります。重要な書類のやりとりが必要なシーンでは、書類の確認や発送などが自らできず、他の従業員に迷惑をかけることもあるでしょう。

ワーケーション制度を利用する従業員は「自分がワーケーションに行っても問題ないか」を確認し、社内や社外の関係者にも連絡しておくのがおすすめです。
仕事と休暇の満足度を上げられるワーケーションですが、全てが中途半端にならないよう、準備を進めてから向かいましょう。

ワーケーション導入で確認しておくべきポイント

ワーケーションでの仕事と休暇を両立させるため、企業が押さえておくべき3つのポイントを解説します。

作業場所の確保

ワーケーションではリモートで仕事を進めるため、ワークスペースの確保が重要です。シェアオフィス、サテライトオフィスなどは通信設備や作業場所が用意されており、ワーケーションの実施に適した環境と言えます。
その中でも、自社が求めるレベルのセキュリティが整備されているか、オンライン会議用の個室などの業務に必要な設備があるか、オフィスの状況をチェックしておきましょう。

ワーケーション先での過ごし方をリサーチ

ワーケーションは、仕事だけでなく休暇への配慮も欠かせません。作業場所の周辺に息抜きできるスポットがあるだけでも、従業員の満足度は違ってきます。
シェアオフィスやサテライトオフィスを利用してワーケーションを行う場合、オフィスの担当者に利用目的や周辺の情報なども聞いておくと良いでしょう。

社内での制度や運用に関するルールを設ける

ワーケーションは、「導入しました!利用しましょう!」だけでは十分な成果を得られません。
もしオフィスを借りて実施する場合、費用がいくら必要かを確認する以外にも、どれだけの社員が月に何回利用できるか、どうやって利用を促すかといった点に着目しましょう。
実際に社員が利用する際も、事前に勤怠管理などのデメリットをクリアしておくことが重要です。

また、企業内で労災の適用範囲も取り決めておくと、リスク回避にも繋がります。ワーケーション中の行動で「ここまでなら労災として認める」など、従業員への通達も行いましょう。

ワーケーションを導入している企業

ワーケーションのメリットやデメリットを紹介しましたが、ここでは実際に導入している企業の事例をまとめました。
自社でも当てはまるか、導入するなら何を重視するかといった点を意識しながら、ぜひ参考にしてみてください。

JAL

JALの名で知られる日本航空株式会社は、ワーケーションに取り組んでいる企業の一つです。導入した背景には、従業員の所属部門ごとに業務や残業時間が異なり、休暇取得率の低さが問題視された経緯があります。
2017年からワーケーションを導入することで有給を取得する割合が増え、残業時間を減らすこともできました。
また、旅行関連の業界ではJTBも行っており、新アイデアの提案や社員のストレス削減に効果があったと言われています。

三菱UFL銀行

三菱UFJ銀行は従業員が柔軟に働ける環境を整備するため、2019年に軽井沢でワーケーションオフィスを新設しました。
「森の中のオフィス」をイメージしたワークスペースでは、窓から軽井沢の自然の眺望を楽しめます。
実際に利用した社員から「集中して仕事に臨めた」、「リラックスできた」という声が上がり、企業が社員の生産性や創造力の向上に尽力していることが分かります。

ユニリーバ・ジャパン

日用品・食品ブランドのユニリーバ・ジャパンも、2019年から「地域 de WAA」と題してワーケーションに取り組んでいます。
WAAとは、Work from Anywhere and Anytimeの略で、従業員が働く場所や時間を自由に選べる新しい働き方です。
ワーケーションに参加した従業員は、幸福度や生産性の高まりを実感したようです。
さらに、ユニリーバ・ジャパンは地域に根ざした働き方を推奨することで、現地絵のビジネスモデル構築も視野に入れています。

日建ハウジングシステム

住宅の設計や建築コンサルタント業務を行なっている株式会社日建ハウジングシステムは、2020年よりワーケーション導入を進めている企業です。
同社に勤める前田賢一さんは、淡路島でワーケーションを体験された方の一人。本サイトでも取材を行わせていただいたので、詳細は以下よりご覧ください。

気持ちのいい場所で働くことだけが、ワーケーションじゃない。オープンイノベーションが生まれる、第2のしごと場。

ワーケーションに取り組んでいる地域

ワーケーションは、利用する企業・従業員に対して、受け入れ側である地方の自治体も積極的に取り組んでいます。
ここではワーケーションに取り組む代表的な地域のほか、淡路島での取り組みも紹介します。

和歌山県|白浜

県内で一丸となってワーケーションに取り組んでいる和歌山県。ネット環境を整備した大規模商業施設を作って企業や個人が不自由なく仕事を行える環境を整えています。
また、和歌山県には世界遺産の一つに数えられる熊野古道もあり、自治体がワーケーションと絡めた企画を考えているようです。

長野県|軽井沢

三菱UFJ銀行が軽井沢にオフィスを建てましたが、同地は自治体もワーケーション誘致に積極的です。
もともと軽井沢はリゾート地として人気のエリアなので、都会の喧騒を離れた自然の中で滞在できるほか、豊富なアクティビティや温泉なども楽しめるのが魅力です。

兵庫県|淡路島

兵庫県の淡路島でもワーケーションへの取り組みに動き始めています。大阪や神戸からのアクセスがよく、関西エリアでもワーケーションに適した場所と言えるでしょう。
近年は人材の大手企業が淡路島に本拠を移しましたが、新時代の働き方を目指してワークスペースや設備の準備が進んでいます。

また島内の洲本市では、2021年春にシェア型サテライトオフィスが完成予定です。地域に根ざした企業が運営に携わっており、ワーケーションの拠点として活用できます。

ワーケーションを行うなら淡路島がおすすめ!

ワーケーションは、これからの働き方に合った取り組みの一つですが、導入を考えている企業にとっては「どこが良いの?」と疑問に思うこともあるでしょう。
導入までの準備やコストを削減するなら、地方でオフィスを借りるのがおすすめです。中でも、淡路島のシェア型サテライトオフィスなら、仕事環境が整っているだけでなく、バケーションの面でも運営側が丁寧にサポートしてくれます。
観光やグルメなど、まだまだ認知されていない部分もある淡路島ですが、ワーケーションを機に同地の魅力を感じてみてはいかがでしょうか。

【法人向け】淡路島でワーケーション!シェア型サテライトオフィス導入の流れを解説

コロナの影響もあり「従業員の働き方を変えていきたい」「福利厚生としてワーケーションを取り入れたい」など、多くの企業がニューノーマル時代の働き方に注目し始めました。

しかし、これまでオフィスを中心に仕事を進めていた企業にとって、シェアオフィスやサテライトオフィスについて分からない方も少なくありません。

ここでは、ワーケーションを実施したい企業向けに、シェアオフィスとサテライトオフィスの違いを解説。後半では、淡路島で新設される「シェア型サテライトオフィス」の魅力も紹介します。


菅 堅太(すがけんた)

2015年関西学院大学総合政策学部卒業。1992年大阪生まれ。東京の出版社や編集プロダクションで務めたのち、Web記事制作の会社を設立。自身で記事執筆を行う傍ら、フリーライターの方たちの育成に尽力している。

シェアオフィスとサテライトオフィスの違いを確認しておこう

普段のオフィスとは異なる場所で仕事ができるのが「シェアオフィス」と「サテライトオフィス」の魅力ですが、どういった違いがあるのか分からない方もいるでしょう。

ここでは、それぞれの特徴を解説するほか、シェア型サテライトオフィスについても紹介します。

シェアオフィス

複数の企業が一つのオフィスを共有し、フリーアドレス形式で利用できる場所がシェアオフィスです。

フリーアドレスとは、社員が専用のデスクを持つのではなく、用意された席の中から好きな場所を選んで仕事を進めるスタイルのこと。

安価で利用できる一方で、企業ごとの占有スペースがないため、セキュリティに厳しい企業にとっては情報漏洩のリスクに十分に配慮しなければなりません。

サテライトオフィス

サテライトオフィスは、本社から離れた場所にあるオフィス指しており、支社のようなイメージを持つと分かりやすいでしょう。

数年前までは、会社から離れた地方でサテライトオフィスが設置されるケースが多くありましたが、近年は通勤や移動時間の短縮を目的に利用する企業が増えてきました。

シェアオフィスとの違いは、一つのスペースを1企業が占有できる点です。他社の人は入れないため、セキュリティ面で安心して仕事に臨めます。

シェア型サテライトオフィス

シェア型サテライトオフィスは、上で紹介したシェアオフィスとサテライトオフィスの良さを両立させた空間です。

2021年の春に淡路島での設立を予定しており、以下のような特徴があります。

  • フリーアドレスで利用可能
  • セキュリティに配慮した作業スペースを設置
  • 観光も楽しめる

シェア型サテライトオフィスの詳細は後半でも詳しく紹介しますが、仕事と休暇が楽しめるワーケーションの場所としても最適な立地です。

シェア・サテライトオフィスを導入する際の流れと注意点

シェアオフィスやサテライトオフィスといった、メインの拠点以外で仕事場を用意する場合、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。

別の拠点を検討している企業が知っておきたい4つのポイントを、利用までの流れに沿ってまとめました。

①:場所選び

シェアやサテライトに関わらず、場所選びが重要です。まずは、何のために別の拠点を用意するのか、目的を明確にしましょう。

チームのオフサイトミーティングとして通勤時間を短縮させるのか、社員がいつもと違った環境で仕事に取り組めるようにするのかなど、利用目的によって適切な場所は異なります。

従業員の働きやすさに影響を与えられる要素が大きいため、トップだけが決めず、社員の意見も参考にしても良いでしょう。

②:内覧

別拠点での仕事は、リモートワークが基本となります。

会議や打ち合わせはオンラインで行うことになりますが、周辺音がミーティングの妨げになったり、機密情報が漏れたりする可能性もあります。インターネットの通信速度や、会議用のスペースがあるかを事前に調べておきましょう。

ある程度の候補を絞ったあとは、内覧を行います。業務に必要な設備の有無を確認するほか、自社の働き方に合っているか、どういう企業や人が利用しているかに着目しましょう。

③:申し込み

オフィス利用の申し込みは内覧後に行いましょう。実際に訪ねてみないとオフィスの雰囲気が掴めないほか、利用後に必要な設備がないことに気が付くケースも珍しくありません。

また、運営側の人に要望を伝えると、業務に必要なオプションを提案してくれることもあるため、不明な点があればすり合わせておくのが無難です。

会議用の占有スペースを借りるのか、勤怠管理サービスを利用するのかなど、オプションを利用できる場合は、社内で検討してから利用の申し込みに進みましょう。

④:利用開始

シェアオフィスやサテライトオフィスに申し込み、無事に利用できることになっても、従業員への周知が必要です。

「利用する場合は3日に前に上司に申請する」「オンラインMTGを行う場合は、会議用スペースを利用する」など、利用上の注意点をまとめておくと良いでしょう。

また、ワーケーションとしての利用を考えているなら、オフィスからアクセスしやすい観光地や飲食店の情報共有もおすすめです。

会社以外で仕事ができる空間として、シェアオフィスやサテライトオフィスは最適なスペースと言えます。利用者である従業員の視点で導入を進めれば、福利厚生の観点からも社員の帰属意識を高めるために役立つでしょう。

ワーケーションを導入するなら別拠点の活用がおすすめ

近年、本社の近くにサテライトオフィスやシェアオフィスを契約している企業も少なくありません。しかし、いつもと違う環境で仕事をすれば従業員の働きに好影響を与える可能性を持っているのがワーケーションの特徴です。

働き方改革の一つとして別拠点の利用を考えている方は、淡路島のシェア型サテライトオフィス「WORKATION HUB」をはじめ、地方でも仕事の拠点を持つことを検討してみてはいかがでしょうか。

以下では、ワーケーションでは別のオフィスを持った方が良い理由を3つ解説します。

【理由①】いつもと違った場所で仕事ができる

地方で新たにオフィスを持てば、普段と異なる場所で仕事ができるだけでなく、ワーケーションで重要な休暇の楽しみも充実しています。

業務に関しては、いつもと違った場所で仕事に臨むことで、新しいアイデアが出やすくなり、仕事へのモチベーションが高まるなどの効果が期待できます。

シェア型サテライトオフィスなら、集中が切れた時に淡路島の海や山などの自然を感じることで手軽にリフレッシュできるのもの魅力です。

【理由②】新たな交流の幅が広がる

シェア型サテライトオフィスは、企業の共有スペースと占有スペースのどちらも用意しており、複数社が利用できるように設計されています。

会社が違っても同じ空間を共有する中で、企業同士の新たな交流が生まれる可能性もあるでしょう。

ここで生まれた繋がりから、一緒にワーケーションを楽しめるほか、日常の業務だけでは知りえなかった情報が得られたり、企業同士でコラボできたりすることも考えられます。

シェア型サテライトオフィスはフリーランスの方も利用できるため、シェアオフィスやサテライトオフィスよりも幅広く交流できるのも特徴的です。

【理由③】現地の魅力を堪能できる

ワーケーションでは、オフィス周辺の見所も欠かせません。メインの拠点の近くでオフィスを借りても、いつも通りの仕事で終わってしまう方も少なくないでしょう。

ワーケーションが可能な新拠点としてオフィスを借りるのであれば、現地の魅力を心ゆくまで満喫できる場所がおすすめです。

シェア型サテライトオフィスの建つ淡路島の洲本は、ちょっとした離島気分を手軽に味わえるだけでなく、観光やグルメも徒歩で堪能できる淡路島では珍しいスポット堪能できるスポットです。有名なタマネギやハモ以外にも、淡路ビーフや赤ウニなどの山海の恵みに溢れています。

都会の喧騒を離れ、時間がゆっくりと流れる淡路島ならワーケーションに適しているでしょう。

淡路島でのワーケーションに最適なシェア型サテライトオフィス

シェア型サテライトオフィスが建つエリアは、城下町の面影が今なお残る洲本市です。オフィスの周辺にはレトロな町並みが広がり、静かな環境でワークとバケーションに集中できます。

また、大浜海岸まで徒歩10分ほどの位置にあるため、ちょっとした休憩に周辺を散歩するだけでも十分にリラックスできるのが魅力です。

シェア型サテライトオフィスは城下町に残る2階建ての長屋を活用し、兵庫県「奥田達郎建築舎」が設計を担当。数十年前まで酒屋だったこともあり、外観や「キリンビール」の看板など当時の面影を残しながらも、はたらく場として心地良く過ごせる空間が誕生しますを残し、内装を快適なオフィス空間に仕上げました。

1階の特徴

1階はフリーランスの方も利用できるよう、フリーアドレスのコワーキングスペースになっていますとして開放しています。

テーブル席やソファ席だけでなく、座ったままの姿勢が健康面に良くないことから、立ったまま仕事ができるよう高めのテーブルを用意。オンライン会議用に籠もれるオンラインブース部屋も設置しました。

体験農園「farm studio」が運営するカフェカフェも併設されているため、利用者は地元の旬の食材を使った料理料理人が作る淡路島の味覚を楽しめるのも嬉しいポイント。

さらに、縁側から中庭が望めるほか、会員さまシェア型サテライトオフィスを契約している人のための宿泊スペースも設置しています。

2階の特徴

2階は、シェア型サテライトオフィスに法人契約している方のみ利用できます。約20畳のスペースを複数社で共有しますが、セキュリティ面にも配慮しオンライン会議用の個室を設けています。

長屋の2階から見える景色も心地よく、仕事がひと段落した時に窓の外を眺めるだけでリラックスできるでしょう。

住所:〒656-0053 兵庫県洲本市本町7丁目1-32(Googleマップ
アクセス:洲本ICから車で約10分

シェア型サテライトオフィスについて問い合わせる

企業がワーケーションを行うならシェアオフィスを利用してみよう

シェアオフィスやサテライトオフィスといった、別拠点のオフィスは従業員の改善する点で十分に役立つでしょう。

また、この記事でも紹介したように、淡路島のシェア型サテライトオフィスなら、ワーケーションの拠点として活用できます。大阪や神戸からアクセスしやすい位置にあるため、社員が「2、3日ワーケーションに行ってきます!」などと気軽に言いやすいでしょう。

実際に企業がワーケーションの導入に取り組んだ事例は、こちらの記事でも紹介していますが、ワーケーション導入や新拠点をお探しの方は、気軽にご相談ください。

おいしくて、おもしろい。島の「人」を、伝えたい。

淡路島は昔から「御食国(みけつくに)」といわれるほど、食がゆたかな島。山の幸、海の幸、どれをとっても思わず笑顔がこぼれるおいしさです。さて今回取材したのは、食材や料理を通じて淡路島を伝えるカフェ「farm studio table」の企画・運営を担う藤田祥子さん。2021年春、シマトワークスが新しくオープンするワーケーション拠点「WARKATION HUB」内にあり、オープンに向けて着々と準備を進めています。さて、どんな場所になるの?そこからどんな楽しみが生まれていくの?そもそも藤田さんって、どんな人?「farm studio table」の紹介にくわえ、藤田さんのこれまでと、これからについて語ってもらいました。

(聞き手:西道 紗恵)

「farm studio table」 藤田祥子

兵庫県三木市出身、洲本市在住。大学院を卒業後、プログラマーとしてシステム開発をしたり、ファッションや雑貨の通販会社にて販売企画・商品企画を行ったりと、多彩な経験を積む。淡路島に移住したのは2014年3月。2016年より、廃校跡地ノマド村にて、週末のカフェ運営を担当しながら、コピーライターとして活動をスタート。現在は「カフェノマド」を卒業し、「farm studio table」の企画や準備に取り組んでいる。

味わう、育む、気づく。
食を通して暮らしを見つめる、島のカフェ&ラボ。

— 藤田さんは、移住してから5年ものあいだ切り盛りされていた「カフェノマド」を卒業し、「farm studio table」を立ち上げられるそうですね。それって、どんな場所なんですか?

2021年の春、洲本市内に「WARKATION HUB」というワーケーション拠点がオープンするんですが、その施設内にあるキッチンスペースです。見た目は、カフェみたいな感じ。島育ちの食材を使ったメニューをお楽しみいただいたり、島外から訪れた方たちに食を通して淡路島の魅力を知ってもらったり、自分の暮らしを見つめなおしてもらったり。淡路島の食から広がる、ゆたかで楽しいひとときをつくれたらと考えています。

「WARKATION HUB」のパース。「farm studio table」のほか、ワーケーションで訪れた方々が利用できるサテライトオフィスやコワーキングスペース、宿泊スペースも。

— 藤田さんは、そこでどんなことをされるんですか?

「farm studio table」の企画・運営を担当します。とはいえ、オープンはまだ先なので、どんな人を巻き込もうか、どんなイベントを開こうか、イメージをふくらませているところです。たとえば、「食のラボ」。みんなで島の食材を収穫するところからスタートして、季節の料理をつくったり、味わったりと、主体的に楽しめるレッスンを開きたいなと思っています。わたしがキッチンに立つだけでなく、島内の料理人さんたちも一緒に盛り上げてもらえるような場にしていきたいですね。

— 「カフェ」と聞くと、一般的には料理やドリンクが提供されて、それを味わうというイメージがありますが、従来のカフェとはまた異なる場所になりそうですね。

そうですね。「farm studio table」という名前の由来にもつながってくるんですが、ただ味わうだけではなくて、みんなでテーブルを囲み、島食材を使ってなにができるか、どんな楽しいことができるか。工房のように、新しいなにかが生まれる場所にできたらという想いから、「studio」ということばを入れました。そもそも「farm studio table」は、わたしが考えた名前ではなくて。淡路島の北部にある観光農園「farm studio」から名前をとっているんですよ。

「farm studio」って?

淡路島の北部にある、海の見える観光農園。シマトワークスをはじめ、いちご農家さんや養蜂家さん、コーヒー屋さんなど多様なメンバーが集い、2015年から少しずつプロジェクトを動かしている。藤田さんも、プロジェクトメンバーのひとり。島外から訪れた人に、畑仕事を体験してもらったり、野菜を収穫してもらったりと、体験農園として運営中。またワーケーションの拠点として、法人向けのコンテンツを実施予定。

「farm studio」についてはこちらから
farm studio – ファームスタジオ

畑からは、おだやかな瀬戸内海が見渡せる。
自分たちで畑を耕して、野菜を育てたり、体験農園を開いたり。
DIYで建てた小屋。「farm studio」で採れた野菜や島食材を使って料理をつくり、イベントでふるまうことも。

— 「farm studio」と「farm studio table」ってどんなつながりがあるんですか?

もともと「farm studio table」は、まちなかにも「farm studio」をつくろうというねらいから、オープンすることになったんです。飲食店や温泉旅館がたくさん立ち並ぶ洲本の中心街に拠点を置くことで、「farm studio」に興味を持ってくれる人や、足を運んでくれる人が増えたらいいなって。

— 「farm studio」に関わるきっかけや入り口を増やすということですか?

そうですね。その入り口のひとつに、「farm studio table」がなれたらうれしいなと思います。お客さんのなかには、ただ食事を楽しみたい人や、食材を収穫するところからやってみたい人、料理に興味がある人など、いろんな人がいると思うんです。たとえば、食事を楽しみたい人には「farm studio table」で料理を味わっていただき、食材を収穫するところからやってみたい人がいれば、「farm studio」に案内して一緒に畑仕事をする。そんなふうに、関わりしろを増やせたらと考えています。

— 食がゆたかな淡路島だからこそ、いろんな楽しみ方や関わり方ができますよね。

「farm studio」に結びつけるだけでなく、島の生産者さんや料理人さんと、お客さんをつなぎたいとも考えています。わたしが移住してからうれしいことに、たくさんのつくり手さんたちと出会うことができて、プロジェクトの仲間であり友人であり、すてきな関係性が育まれています。わたしが大好きな淡路島の仲間たちを、みなさんに知ってもらいたいですね。

「farm studio」で、ランチをふるまう藤田さん。

荒れ地を耕して、新しいなにかが次々と生まれる“スタジオ”に。

— 藤田さんが「farm studio」に関わったきっかけは何でしょうか?

わたし自身、この場所がとても好きなんです。それに、ここに集まる人も好き。「farm studio」メンバーの、いちご農家でありジャム屋さんでもある山田さんとか。

— わたしも、プライベートで山田さんのいちご農園へ遊びに行ったり、ジャムを食べたこともあるんですが、しあわせな気分に包まれますよね。笑顔が絶えない山田さんご夫婦のお人柄もすてきですし、ジャムは家族にも大人気でリピート買いしちゃいました。

わたしが「farm studio」にジョインしてから生まれた商品もいろいろあるんですよ。山田さんが手がけた果物ピールのはちみつ漬けや、養蜂家さんによる日本蜜蜂のはちみつ。わたしはカヌレをつくりました。

— 「farm studio」を開いたのは2015年とのことですが、プロジェクトがスタートした経緯ってご存知ですか?

「farm」とあるように、何十年か前はもともと畑でした。もとの景色に戻したいという地元の方の声をきっかけに、耕作放棄地に牛を放って、荒れ地の草を食べてもらって。少しずつ土地を開拓していきました。

山田さんのいちご農園があるのも、この場所。もともと荒れ放題で、人の行き来も少なかったこの土地に「ほんまに人来るんか?」って疑う人もいたけれど、観光農園として人が集まるようになってきたんです。

— 海が見渡せる高台の畑というだけでも、景色がよくて気持ちいいですよね。それに、耕作放棄地をイチから開墾した観光農園というストーリーもおもしろい。

もともと畑だったこの場所に、どんな可能性が眠っているのか。「ここでなにかしたい!」という気持ちがすごくありました。ワーケーションで淡路島を訪れる方々が、「farm studio」で一緒に創作活動をしたり、実験したりする仲間になってもらえたらうれしく思います。

手前:株式会社日建ハウジングシステムの前田さん。数年前より実験的に淡路島でワーケーションを実施。今年より社内制度としてワーケーションプログラムを導入。

— 仲間って、いいですね。仕事も遊びもごちゃまぜになって、一緒に楽しむパートナーという感じですよね。

「farm studio」に関連するプロジェクトのほかに、今は特に生産者さんや料理人さんと一緒に、なにかをやってみることが多いです。たとえば、そのひとつが「淡路島に行った気分になれるセット」。

「淡路島に行った気分になれるセット」についてはこちら
「淡路島に行った気分になれるセットNo.24

No.02“明日が待ち遠しくなる朝ごはん”
No.4 “夏をお迎えしよう”
No.12 “おわり、でもはじまり。”

ふだんは4月から11月の週末だけ、「カフェノマド」を開いていたんですが、2020年は新型コロナウイルスの影響でお店をなかなか開けることができなくて。「みんなが淡路島に来られないなら、わたしからみんなに淡路島を届けよう!」と、この活動を始めました。島で育った季節の食材や、わたしが大好きなつくり手さんの焼き菓子など、淡路島をぎゅっとひと箱に詰め込んで。おうち時間がもっと楽しくなるように、家族で淡路島に行った気分を味わえるようにと想いを込めて、No.1からNo.12まで、合計12セットをお届けしました。

— 藤田さんが築いてこられた人とのつながりがあってこそ、実現できた活動だと思います。それも、12回分…!

淡路島を訪れるたび、島の人たちの暮らしやはたらきぶりに、ときめいたり驚いたりしていたんですよね。つぎは、島の人との出会いを届けられたら、わたしが感じたようなワクワク気分を、いろんな人に味わってもらえるじゃないかなって。そんな想いから、つくり手さんたちの活動を伝えるお手伝いができたらいいなと思いました。わたしも、お菓子や料理をつくるのは好きだけど、どちらかというと、誰かがつくったものを「おいしいよ!」「楽しいよ!」「すごいよ!」って、言いたくて(笑)。島のすてきなつくり手さんたちと出会うなかで、自分が「つくる」ことよりも、「伝えたい」気持ちがむくむくとふくらんでいきました。それをかたちにしたのが、「淡路島に行った気分になれるセット」でもあります。

お菓子屋さんになりたいわけでも、パン屋さんになりたいわけでもない。

— 料理をつくることではなく、伝えることが目的ということですか?

極論、わたしが料理をしなくてもいいし、お菓子もつくらなくていいと思っています。わたしはお菓子屋さんになりたいわけでも、パン屋さんになりたいわけでもないので。料理やお菓子をお客さんに食べてもらって、楽しい気分になれたり、生産者さんに出会いたくなったりしたらいいなって。

— 料理やお菓子を通して、生産者さんを知ってもらいたいということですね。

そうですね。おいしく食べてもらいたい気持ちもあるけれど、わたしが一番伝えたいのは、人のおもしろさ。

藤田さんが「カフェノマド」で提供していたランチメニュー。素材はすべて淡路島産。中原水産のしらすに、島のブランド米である鮎原のお米、ちょうけいじ農園さんのレモングラスティー。

— 人のおもしろさって、どんなことですか?

たとえば、最近会いに行った農家さん。野菜の育て方に気を配るだけでなく、売り方までこだわっていらっしゃるんです。野菜の品種や特徴をラベルに書いて貼ってあるんですが、ラベルのデザインもすてきで。その方と農業や野菜の話題になると、話が止まらないんです。ことばや表情一つひとつから、楽しんでやっているのが伝わってくる。想いは熱いけど、圧がない。そんな方です。ほかにも、知り合いの酪農家さんは牛のかわいさをひたすら語ってくるし、山田さんはいちごが好きなのが伝わってくる。「おもしろそうで思わずなにか一緒にしたくなる」みたいな「楽しさ」があるかどうかを、わたしは大切にしているかもしれません。

いちご農家でジャム屋さんの、山田さん。

移住のきっかけは、淡路島のおもしろい人。

— 藤田さんのお話を伺っていると、淡路島の人が好きなんだなというのが伝わってきます。

わたしが淡路島に移住した理由のひとつが、「人」なんです。島で出会う人たちは主体的で、前向きで、楽しげ。そして悲観的ではないし、真面目すぎない。それがめっちゃいいなって。自分もこんなふうになりたいと思いました。

— 移住されたのはいつですか?

2014年の3月です。その頃はまだ会社員だったので、淡路島から神戸まで通勤していました。

— どんなお仕事をされていたんですか?

ファッションや雑貨を扱う通販会社にて、販売企画や商品企画を担当していました。その前は、岡山県にある会社でプログラマーをしていました。今はフリーランスとして活動していますが、それまではずっと会社勤めだったんです。どの仕事もやりがいを感じていたけれど、会社員という「はたらき方」が、自分には合わないかもしれないと思い始めて。会社に所属していると、転勤や異動がありますよね。せっかく手塩にかけて育てたブランドを、途中で手放す場面もあります。それが、ちょっとさみしくて。できれば、自分のペースでじっくりと、目の前にある仕事と向き合いたい。そんなふうに感じていたときに、淡路島の人たちに出会って、心が高鳴りましたね。

「farm studio」でランチをつくる藤田さん。

出会う人がみんな、楽しそうだったんです。養鶏場を営む北坂さん、いちご農家の山田さん、なるとオレンジ農家さん、ちりめん屋さんなどなど。こんな楽しそうに仕事をしている人は、あまり見たことがありませんでした。仕事は苦労がともなう意識があったんですけど、そのイメージが覆されました。

— できれば働きたくないという人、多いと思います。

働いているけど、どこか楽しげな印象でしたね。淡路島ではプライベートも仕事も、いい意味で垣根なく、人と人との関係性もフラット。どれだけ著名な人でも、淡路島では対等な立場で話せたり仕事できたりする雰囲気があって、それがとても心地よかったんです。わたしもその輪に入りたい、仲間になりたいと思いました。

— 藤田さんが会社員を辞められたのはいつですか?

2016年の7月です。淡路島に移住してからも2年半ほど、神戸まで通勤していたことになりますね。そしてわたしが会社を辞めるタイミングあたりで、廃校跡地のノマド村でカフェの運営者を探していると耳にしたんです。淡路島でなにをするか、特に決めてなかったので「わたし、やろっか?」と手をあげました。

ノマド村のカフェスタッフの皆さん。

自分が感じたわくわくを、ひと品にぎゅっとつめこんで。

— それまで、カフェの運営経験はあったんですか?

スターバックスコーヒーでアルバイトをしていたくらいですね。あとは小学生の頃からお菓子をつくるのが好きだったくらい。特に飲食事業や、料理の勉強をちゃんとしたことはありません。

— 料理について専門的に学んでこられていないのに、移住していきなりカフェ運営って、勇気がいりませんでしたか?

うーん。それよりも、わたしにとって淡路島で初めて、主体的になにかをやるチャンスだと思いました。それまではイベントの参加者だったり、遊びで島の人たちと関わることが多かったんです。だから、自分もなにかやってみたいという気持ちがあって。それに、「カフェノマド」にどんな人が集まってくるのか、ここからどんなおもしろいことが生まれるのか、それが楽しみでしたね。

— 藤田さんのお菓子や料理をいただいたことがありますが、おいしいだけではなく、味わいながら心がワクワクしたのをよく覚えています。食からも、藤田さんのワクワクが伝わってくるようでした。

料理やお菓子は、「自分が楽しい!」と感じるものをかき集めて、「どうしたらみんなが楽しめるかな?」とイメージをふくらませながらつくっています。自分が食べてみて、「わ〜!」っと感動したものは一度つくってみますし、アレンジをくわえてメニューに取り入れることもあります。

眺めているだけでも楽しい、食彩ゆたかなお料理。

— カフェ運営だけでなく、書く仕事もされていますね。

「カフェノマド」は4月から11月までの週末のみだったので、ほかに自分にできることはないかと思い、コピーライターとしての活動を始めました。書くことを通して、島のおもしろい人たちを伝えたり、つくり手さんたちの活動を後押ししたいと思ったんです。とはいえ、わたしはプロのコピーライターとして仕事をした経験がなく、勉強するところからスタート。知り合いのコピーライターさんにお願いして、1年間修行させていただきました。

人生を思いっきり楽しむ仲間を増やしていきたい。

— 会社員というはたらき方を辞めて、フリーランスとして食やことばに関わるお仕事をされている今、「はたらく」に対する捉え方に変化はありましたか?

自分の名前で仕事をするということは、ぜんぶ自分の責任であり、ぜんぶ自分の楽しみ。言われてやるとか、やらされてるという感覚はまったくなく、どんな仕事も自分ごととして楽しんでいます。そうしたはたらき方のほうが、気持ちもこもるし、本物だなと思うんです。

— この春から、またひとつ新しいチャレンジに踏み出す藤田さんが、伝えていきたいことは何でしょうか?

みんな仲間になろうよ、こっち側においでよって言いたいですね(笑)。お客さんとして関わってもらえるのもうれしいけれど、企画や運営に踏み込んでくれる仲間。人生をかけて楽しむ仲間を増やしていきたいです。メンバーが増えれば増えるほどきっと楽しいし、日常がもっとゆたかになっていくと思うから。気づいたら「カフェスタッフになってました!」みたいなことが生まれるとハッピーですよね。淡路島は神戸や大阪からもアクセスがいいので、移住しなくても、場所が離れていても、関わり方はいろいろあると思うし、わたしたちも関わりしろを増やしていく予定です。淡路島にいる時間や人とのふれあいのなかで、「楽しい!」と思える瞬間をたくさんつくっていきたいし、その価値を伝えていきたいです。

島の料理人と楽しむ、おいしいひととき。

淡路島を語るうえで欠かせない、「食」。島のゆたかな環境で育った海の幸、山の幸は、訪れた人の心もおなかも、心地よく満たします。シマトワークスが提供するワーケーションプログラムにおいても、力を入れているのが「食」。お越しいただいた皆さんにとって、淡路島で過ごすひとときがよりおいしい時間になるように、島の料理人さんが腕によりをかけた料理とともに、皆さんを出迎えます。今回は、ワーケーションプログラムを一緒に盛り上げてくれる、ふたりの料理人をご紹介します。

(聞き手:西道 紗恵)

食のわ 神瀬聖

淡路島・南あわじ市出身。高校卒業後、大学進学のために大阪へ。就職活動で数社から内定があったにも関わらずすべて辞退し、就職浪人になる。その後はバーやラジオ局など、アルバイト生活を送る。料理の道へ進んだのは、淡路島へ帰ってきてからのこと。ビストロで働き始めたのをきっかけに、食や農業に興味を持つ。2013年に「食のわ」をオープン。現在は自身で野菜を育てながら、カレー、おばんざい料理をはじめ、ケータリングも手がけている。

空想燕 岡田舞

淡路島・洲本市出身。淡路島を出てみたいという想いから、神戸にあるアパレル会社で働き始める。退職後、淡路島へUターン。本格的に料理を始めたのは、カフェに勤めだしてから。キッチンスタッフとして料理を手がけるようになり、マーケットへの出店など個人的な依頼が入るように。2020年に「空想燕」として独立。シマトワークスが運営する「WARKATION HUB」内にある「farm studio table」でも活動予定。

二度と、淡路島に戻るつもりはなかった。

— お二人とも、淡路島のご出身なんですよね。一度島を離れて、Uターンで戻って来られたと伺っていますが、島を離れた理由って何でしょうか?

神瀬さん:僕は、大学進学のため。当時、淡路島には大学がなかったので、大阪にある大学へ行きました。その時は、「もう二度と戻ってくるか!」って思ってましたよ(笑)。

岡田さん:わたしは淡路島を出てみたいという想いがあって。神戸で暮らしながら、アパレル会社で働き始めました。

— 島を離れてからどんなことをされていたのか、もう少し聞かせてもらえますか?

神瀬さん:商学部で勉強していて、就職活動では数社から内定をもらっていたんです。スーパーマーケットに、ショーウィンドウのデザインをする会社、ファッション雑誌の出版社、アパレル。でも、「どれもなんか違うなあ」と思って、全部断っちゃいましたね。それからは、大学のゼミの教授の補助をしたり、バーやラジオ局で働いたり、バイト生活を送ってました。

岡田さん:わたしは神戸での暮らしを満喫していましたね。アパレル会社で勤務しながら、友だちとシェアハウスを始めたりして。淡路島に帰ろうなんて、少しも思っていませんでした。

まさかの、淡路島へUターン。

— 神瀬さんも岡田さんも、楽しい日々を過ごされていたのが伝わってきます。その後、お二人とも淡路島に戻って来られていますが、そのきっかけは何ですか?

神瀬さん:ちょっと、大きな声で言えることじゃないんですけど。当時、物欲がものすごくて。稼いだお金を全部、服と音楽と本につぎ込んでいたから栄養失調になってもて。帰るつもりはまったくなかったんですけど、強制送還って感じですね。それが2005年…僕が25歳くらいの時ですかね。

岡田さん:わたしも帰ろうとは思ってなかったんですけど、シェアハウスをしていた友人が、会社を辞めて家業を継ぐことになって。ちょうどわたしも同じタイミングで退職したので、この先どうしようかなあって思っていたんですよね。親に相談したら、「あんたも戻ってきなさい」って。1年くらい働いて貯金して、すぐ神戸に戻るつもりだったんですけど、ちょうどその頃に東日本大震災が起きて、淡路島へ移住する人が増えたんです。その方たちが、個性ゆたかというか、おもしろい人が多くて。「淡路島もおもしろいやん」と思って、そのまま留まることにしました。

— 想定外のUターンだったんですね。まだお二人から「料理」とか「食」に関するお話が出てきていないのですが、この時はまだご自身が料理人になるとは考えていらっしゃらなかったんでしょうか。

神瀬さん/岡田さん:なかったですね。

岡田さん:淡路島に帰ってきてから、レストランで働き始めたんですけど、そこではホールスタッフをしていました。ちょこちょこキッチンで料理を教わったりしてたけど、本格的にはやってなかったですね。

神瀬さん:僕はまず工場で働いて、次に飲食店。洲本にあるお店で働いてたけど、新店舗の立ち上げで神戸へ転勤になって。また2年くらいして淡路島に戻ってきて。せっかく島を出たし、もうちょっと外にいようと思って働いてた店を辞めて、大阪にある飲食店に転職しました。

食や農業への興味から、すこしずつ、料理人の道へ。

— そのあたりから、少しずつ料理人の道を歩み始めることになったのでしょうか?

岡田さん:そうですね、その後カフェに転職した頃から、少しずつ自分で料理をすることが増えましたね。

神瀬さん:僕は大阪の店で働いてる時に、生産者さんのところへ見学に行く機会があったんです。それが結構おもしろくて。農家さんから種をもらったりして、ちょっと自分でもやってみようかなあって。でも大阪市内に住んでたから畑できるところもないし、夜中に公園へ行って種まいたりしてたんですよ。

— え!?(笑)。

神瀬さん:店でいろんな食材を扱ってたけど、「季節ないなあ」って思ってた。「本来は旬じゃないはずやのに、注文したらいつでも野菜が届くって、どういうことなんやろう」って、ちょっとずつ興味がわいてきて、自分でもやってみたいなあって。

— それで、野菜は育ったんですか?

神瀬さん:芽は出たんですよ。でも公園の土はかたいし、人に踏まれたりで、育ちはしませんでしたね。でも結構、芽は出たんですよね。それで「僕、農業できるわ!」と思って、淡路島に帰った。それで辞めた前の店に戻って働き始めたけど、規模が小さいとはいえ農業との両立が難しくて、「もう自分でやるしかないわ」と思って。それで2013年に「食のわ」をオープンしました。

— 神瀬さんは農業と料理人としてのバランスをとろうと、独立されたんですね。岡田さんも独立されていますが、それまでの経緯を聞かせてもらえますか?

岡田さん:働いていたカフェが「ヒラマツグミ」というお店でして。元々は洲本のまちなかで「233cafe」という名前でやっていたんですが、山のほうへ移転して、「ヒラマツグミ」になったんです。わたしは「233cafe」の時からお世話になっていまして。特に「ヒラマツグミ」としてスタートしてからは、カフェの責任者を任せていただけることになりました。といっても、カフェスタッフはわたし一人なんですけどね。

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ヒラマツグミ

— お一人で!?すごい。でもそれまでに、本格的にお料理を勉強されたり、カフェ運営をされた経験ってないのでは…?

岡田さん:そうですね。料理人としての歴は「233cafe」からなので、今で6年目。料理教室に通って勉強したり、神瀬さんから教えていただいたりしたこともありますが、ほとんど独学です。「空想燕」を立ち上げたのは、2020年。だから、つい最近なんです。「ヒラマツグミ」で働いていた頃から、友人から「お菓子をつくってほしい」とか、「イベントに出店してほしい」という個人的な依頼が入るようになり、自分でブランドを立ち上げてやってみようかなと思いました。

食べてくれる人への想いを、ひと皿に込めて。

— 神瀬さんは「食のわ」、岡田さんは「空想燕」。ブランドに込めた想いを教えていただけますか?

神瀬さん:店で使う食材をつくってくれる人も、来てくれる人も、関わってくれる人も。みんなが食を通してわっかになって、循環したらいいなっていう意味を込めています。

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食のわ

岡田さん:空を想うって書いて「空想」。「空を想う」って、すごいきれいばことばやなあと思っていて。わたしのなかでは、「空を想う」って、「人を想うこと」につながっている気がしているんですね。「ヒラマツグミ」で働いている時からそうだったんですけど、いつもお客さんのことを想像しながらお料理をつくっているんです。特に「ヒラマツグミ」は完全予約制で、わざわざ予約をして、山のほうまで来てくれる。いくつものハードルを超えて、どんな方が来てくださるんだろうと想像して、お料理に想いを込める。常連さんだと、「あの人はこれが好きだったな」と思いながらつくったり。

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岡田さんが手がけたお菓子。シンプルながらも、記憶にのこる力強さがある。

岡田さん:それと燕は、しあわせを運んでくれる鳥。昔からずっと燕が好きでして、ブランドにも「燕」という文字を入れたいなと思いました。わたしがつくったものを食べていただいて、その人がちょっとでもしあわせな気持ちになってくれたらうれしいし、それを自分が想うことで、わたしのしあわせにもつながっていく。そんな意味を込めています。あと今は店舗を持っていないので、「空想でいいんちゃう?」みたいな(笑)。

神瀬さん:僕もちょっと、似てるところがあるかも。僕は同級生がやってるゲストハウスの隣に店舗を持ってるんですけど、いつもお客さんの顔を見ながら料理をつくっています。同じ料理でも、お客さんの表情を見て絶妙に変えるしね。例えば、「ちょっと疲れてそうやな」と思ったら塩を少し加えてから出したり。

— 神瀬さんも、岡田さんも、2020年にシマトワークスが開催したワーケーションプログラムのモニターツアーでお料理を提供されていますよね。

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神瀬さん:僕はケータリングをさせてもらいました。前々からお店で料理を出す以外に、ケータリングをやっていまして。シマトワークスの富田さんからは、このモニターツアー以外でもいろいろとオーダーをもらっています。

岡田さん:わたしはお弁当をお出ししました。実は、「空想燕」としてお弁当を手がけて間もない頃のご依頼だったんです。10人ちょっとのお弁当をご用意したんですが、緊張していたのをよく覚えています。富田さんから「岡田さんもぜひ、参加者の皆さんと一緒に食べましょう」とお声がけいただいて、ご一緒させていただきました。自分がつくったお弁当を食べながらお客さんとお話するって、新鮮な気持ちでしたね。

— お二人が料理を手がけるときに、心がけていらっしゃることは何でしょうか?

神瀬さん:せっかく淡路島に来てくれたんだから、「淡路島を堪能していってよ!」っていう気持ちを込めてつくっています。だから、使う食材はほとんど島のものやし、生産者のことを伝えたいなと思ってます。それと、自分の畑で育てた食材を使うこともあるかな。料理そのものは、うーん。レシピを見てつくっても、絶対レシピ通りにしたくないと思ってるから、何かしらのアレンジをしちゃうんですよね。最近はランチでカレーをやってるんですけど、途中までカレーじゃないものをつくってるし。最終的にカレーに仕上げてるだけで。

岡田さん:わたしも食材は、ほとんど島のものですね。お野菜が中心のお料理なので、ほとんどのものが淡路島でそろうのがありがたいです。それくらい、食がゆたかな場所。お料理で心がけているのは、見た目も味も、バランスでしょうか。季節を感じてもらえるように、食材や彩りを考えています。味付けは素材そのものの味が引き立つように、シンプルに仕立てています。

ワーケーションでどんな人が淡路島へ来てくれるのか。
会ってお話するのが楽しみ。

— 神瀬さんと岡田さんは、シマトワークスが提供していくワーケーションプログラムのサポートメンバーとして、お料理を提供されると伺っています。これからやってみたいこと、楽しみにされていることは何ですか?

神瀬さん:僕は引き続き、ケータリングでお手伝いさせてもらうことが多いかと思うんですが、どんな人たちにお会いできるか楽しみです。料理や表現の幅を広げて、富田さんたちと一緒に楽しんでいきたいです。

岡田さん:わたしは洲本に新しくオープンする「WARKATION HAB」内の「farm studio table」で、主にお菓子を手がけていきたいと考えています。「farm studio table」の企画・運営を担う藤田さんから「一緒になにかやろう!」とお声がけいただいて、ご一緒させていただくことになりました。藤田さんは何年も前からプライベートでも仲良くしてもらっていて、悩みごとがあったりしたら、いつも相談しています(笑)。いつも後押ししてくれて、ほんとうに頼もしいんです。だから藤田さんと一緒になにかできることを、とてもうれしく思っていて。どんなことができるのか、これから相談しながら練っていきたいと思います。ワーケーションではいろんなお仕事をされている方がいらっしゃると思うので、ぜひお話を聞いてみたいですね。

食も、環境も、人も。淡路島はぜんぶいい。

— 淡路島ご出身のお二人にとって、この島の魅力とは何でしょうか?

神瀬さん:ええとこって言われたら…分からへんなあ(笑)。「食」という視点で見ると、めちゃめちゃゆたかだと思いますよ。海も山も、食べられる野草もめっちゃあるし。いい意味でミニマムというか。だいたい食材は淡路島でそろうから、できるだけ島のものを使いたいですね。

岡田さん:淡路島は、全部いいと思いますよ。気候もいいし、ごはんもおいしいし、食もゆたか。いちばんいいのは、「人」だと思います。みんな、あったかい。地元の人も、移住された方にウェルカムな人が多いなと思います。

— 神瀬さんも岡田さんも、お話を伺っているといい意味で飾り気がないというか、シンプルというか、まっすぐというか。そんな雰囲気が伝わってきます。

神瀬さん:僕は好きなことだけやってるし、楽しくないことはやらへんから。しあわせでありがたいなあと思いますよ。昔はやりたいことが特になかったけど、食とか農業っておもしろいなあって、今はこれが好きでやってると、自分の生き方に納得してる。みんなもそうあってほしいなって思いますね。

岡田さん:わたしは流れに身を任せて、今にたどり着いているというか。昔から料理人になりたいと思っていたわけでもないし、すごく覚悟を決めて独立したわけでもなくて。でも自然と、その流れができていったんでしょうね。タイミングがよかったり、誰かが求めてくれたり。まだ料理歴は浅いけど、岡田さんにお願いしてよかった、最高だった、と思っていただけるように、「空想燕」を大切に育てていきたいです。

気持ちのいい場所で働くことだけが、ワーケーションじゃない。オープンイノベーションが生まれる、第2のしごと場。

2020年は新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの企業でリモートワークが導入されたり、時差出勤が制度化されたりと、人々の働き方や暮らし方が大きく変わった1年でした。シマトワークスではこうした状況もふまえて、企業向けのワーケーションプログラムを開発し、企業様での実装をめざして検討を重ねています。そのひとつが、日建ハウジングシステム様。今回は、ワーケーションの制度化を牽引する前田さんにお話を伺い、モニターツアーでの体験をふり返りながら、淡路島ワーケーションの魅力や導入までの歩みを語っていただきました。

(聞き手:西道 紗恵)

株式会社日建ハウジングシステム 前田 賢一

鳥取県出身、大阪府在住。2009年、株式会社日建ハウジングシステムに入社。設計監理部に所属し、集合住宅を中心とした建築設計を行う。淡路島に足を運ぶようになったのは、2018年頃から。淡路島で仕事とプライベートが混在した時間を過ごすなかで、ワーケーションの価値を実感し、社内制度化を実現。2020年9月に実施したモニターツアー「未来の働き方を考える4日間」にも参加。
日建ハウジングシステム
日建ハウジングシステムの新しい働き方へのチャレンジ
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オフィスで気がつくと遅い時間。
デスクで、PCや資料とにらめっこする生活でした。

— 前田さんは建築設計士として活動中とのことですが、ふだんはどんな働き方をされているんですか?建築業界って夜遅くまで働いて、ひたすら設計図を書いているイメージがあるのですが…

まさに、おっしゃるとおりですね(笑)。今年はコロナの影響で在宅ワークの割合が増えたんですが、ずっとデスクにいて、気づけば22時になってるみたいな。ごはんを食べることも忘れて、PCや資料とにらめっこし続けているときもあります。そんな働き方をしていると、仕事中は人と会話することも減るし、知らぬうちに全身に力が入って呼吸が浅くなり、身体がかたくなってしまう。忙しくなると、気持ちが滅入ってしまうこともありました。

— 働き方を見直したくても、目の前の仕事に手一杯みたいな。

そうなんです。自分でもこの働き方は良くないなあ、改善したいなあと思っていて。ある日、上長と面談をしたときに言われたのです。「場所を変えて働いてみたら?ワーケーションの企画書出してみてよ」って。それがきっかけで、ワーケーションに興味を持つようになりました。

ワーケーションってどんな感じ?
自分で試して、淡路島の魅力を肌で感じた。

— ワーケーションって、ワーク(仕事)とバケーション(休暇)を組み合わせた造語で、一般的にはリゾート地などで休暇を過ごしながら働くことを意味しますよね。前田さんがイメージされた働き方も、そんなイメージですか?

最初はそうでした。景色のいい場所でゆったりとくつろぎながら、たまに仕事するみたいな。でも正直、くつろぎながら仕事をするのは自宅でもできるし、近所のカフェに行けばいい。だから僕の理想としては、ただ景色のいい場所で仕事をするというよりは、仕事の質が高まる体験があったり、視野を広げてくれるような人との関係性が築けたりと、オープンイノベーションが加速するきっかけになればいいなと思ったんです。

— 働き方や、仕事の質もアップデートされる装置のような。

そうですね。私が勤めている日建ハウジングシステムは、新しいことにどんどん挑戦する社内文化があって、働き方も人それぞれ。最大限のパフォーマンスを発揮できるように、工夫している人が多いように思います。そんな社風にも背中を押されて、まずは自分がワーケーションを実践してみて、社内制度として推進する動きをとりはじめました。それが2018年頃だったかと思います。

— その実践の舞台が、淡路島だったということでしょうか?

はい。なんで淡路島だったかというと、職場の元先輩の富田さんが、淡路島でシマトワークスとして起業されていて。現地での活動や暮らしぶりを耳にして、いつかはじっくり話してみたいと思っていたんです。たまたま仕事で淡路島へ行く機会があり、「これはチャンスだ!」と思い立って、富田さんに連絡をとりました。仕事のスケジュールよりも前倒しで現地入りして、島の幸をふんだんに使った料理を食べさせてもらったり、島で活動されているおもしろい方々の話を聞かせてもらったり。挙句の果てには、翌日からタクシー移動を想定していたのですが、「それは無理だよ!」って、移動手段やルートをコーディネイトしてもらいました(笑)。

— その後、淡路島との行き来はありましたか?

プライベートで足を運ぶようになりましたね。富田さんに紹介いただいたイチゴ農家さんが営まれている畑で農作業を体験してみたり、飲み会に参加させてもらったり。

休日に淡路島を訪れて、畑仕事を体験。土や草にふれることが、ちょっとしたリフレッシュに。
カフェのオーナーや、農家、日本酒の杜氏など、多様な分野で活躍する個性ゆたかな淡路島メンバーが集まる飲み会に参加。

— 淡路島では、プライベートの遊びとして過ごす時間が多かったですか?それとも、仕事をする時間をつくったりされましたか?

プライベートな時間が大半でしたが、そのついでに仕事することもありましたね。遊びと仕事を切り分けるというよりは、ごちゃまぜになっている感じ。遊びのつもりで行っても、富田さんと仕事の話をしたり、淡路島での働き方を聞かせてもらったりと、会社の新しい働き方や仕事づくりに結びつけられないか、ワーケーションのトライアルとしてネタ探しに行っているような感覚でした。

飲み会に参加したことがきっかけで、畑の屋台小屋の設計を手伝うことに。
デスクではなく、土の上で設計図を書いてみたりも。

— そのなかで感じた淡路島の魅力って何ですか?

何よりも、食べものがおいしいんですよ!海の幸も、山の幸も、淡路島は自然の恵みがゆたか。おいしいごはんを食べるって、それだけでも楽しみのひとつになりますよね。あと、僕は鳥取県出身なので、自然環境が気持ちよくてのんびりとした時間が流れているのも、居心地よく感じる魅力だと思います。大阪から車で1時間ちょっとで行けるし、距離感がちょうどいいんです。

がっつり仕事も、ゆったりリフレッシュも、人との交流も。
次へのステップになる、島じかん。

— 2020年9月に淡路島で開催されたワーケーションのモニターツアー「未来の働き方を考える4日間」にも参加されたのですよね。

ワーケーションを会社に導入するための検討材料として、予算を確保して参加しました。上長もワーケーション導入には乗り気だったので、参加を後押ししてくれましたね。

— 4日間、どんなプログラムがあったのか教えていただけますか?

各自の仕事に取り組むワークタイムと、自分の健康について考えたり、自分を見つめ直したりするリトリートの時間がありました。ワークタイムが確保されていたので、オンラインミーティングをしたり、作図したりと、ふだんと変わらず仕事に励むことができました。

リトリートの時間では、瞑想したりストレッチをしたり、自分としずかに向き合うことが多かったです。特に印象にのこっているのは、海辺での瞑想。波の音に耳をすませながら、少しひんやりとした空気を吸い込んで、ゆっくりと吐いて、身体を心地よくのばして。自分の身体のすみずみに意識をめぐらせて、状態を知るんです。この体験がいちばん気持ちよかったですね。ほっと落ち着いて、いい方向に心と身体が動くのを感じました。この体験があってからは、仕事の打ち合わせ前や移動中には、プチ瞑想を取り入れるようになりました。資料作成でバタバタとしても、打ち合わせ前には目を閉じて深呼吸する。すると、落ち着いてプレゼンにのぞむことができるのです。

— ツアーでの経験が、早速仕事にも活きているのですね。

はい、瞑想は意識的に取り入れています。上手くいかないことがあっても、いい意味で開き直れるというか。いつも新鮮な気持ちで、仕事にのぞめています。

朝6時30分から、海辺で瞑想とストレッチ。自然が身近にあるのも、淡路島の魅力のひとつ。
シェアサイクルをレンタルして、山の上までひとっ走り。
山の緑も、海の青も美しい淡路島。心地よい海風を浴びながら、リフレッシュ。

モニターツアーには僕以外にも参加者が多数いて、皆さんとの交流も楽しかったです。世界一周をしてゲストハウスを営んでいる人、シェアハウスを転々としながら多拠点生活を実践している人。オフィスで作図しているだけでは出会うことのない方と対話して、自分にはなかった視点を得ることができました。そこで出会った方とは今もつながっていて、取り組みを知っては刺激をもらったりしています。今まで持っていなかったチャンネルの新しい情報がどんどん入ってきていて、仕事面でも次のステップへ踏み出すきっかけになっていると感じています。

人、もの、情報とオープンにつながり、
今はまだない働き方やビジネスを、淡路島からつくっていく。

— モニターツアーを経て、ワーケーション導入に向けて社内でどのような動きをとられていますか?

モニターツアーに参加してみて、やっぱりワーケーションは有意義だと身をもって実感したんです。シマトワークスの提供するワーケーションは、自分のメンタルの状態を数値化して見つめ直すこともできるし、社員の健康増進にもつながる。ワーケーションを導入したい気持ちが、より一層強まりました。社内で検討を重ねた結果、2021年からワーケーションが制度化し、トライアルが開始されます。さらに今は、上長との議論のなかで、淡路島に拠点をつくれないかという方向性になっていまして。淡路島との接点にもなってくださった富田さんにも相談して一緒に企画書を練りながら、上長に提案しています。都市部から離れて、自分の働き方を見つめ直したり、他分野で活動する人との出会いから新しい発想が生まれたり。そんな風土が会社に根づけばと思っています。ゆくゆくは多様な企業と連携して、ワーケーションからオープンイノベーションに発展する仕組みをつくっていきたいですね。

— 前田さんご自身がワーケーションを実践されてみて、何か変化はありましたか?

以前にも増して、心身ともにいきいきしてると感じます。ワーケーションを導入する前は、仕事の忙しさに滅入ってしまったこともあったんですけど。淡路島の雄大な自然にふれて、新鮮な気持ちで仕事に取り組み、おいしいごはんを食べながら多様な人たちと語り合い、視野が広がって。島で出会う方一人ひとりがおもしろくて、暮らしぶりも僕にとっては斬新だったんです。自分の心を前向きに後押ししてくれる出会いが連鎖的に起こるのは、淡路島の魅力でもあり、シマトワークスさんが持つつながりのおかげでもあると思います。

— 淡路島ワーケーションをおすすめするとしたら、どんな人に紹介したいですか?

会社に所属していて、組織の方針や仕事のスタイルに悩んでいる人っていると思うんです。会社の体制を変えるのは容易なことではないけれど、ワーケーションはそのきっかけのひとつになると思います。仕事について悩んでいる人や将来を不安に思っている人は、一度ワーケーションを実践してみるといいのではないでしょうか。

— 最後に、前田さんがこれからめざす働き方や暮らし方を教えていただけますか?

今は大阪が本拠地ですが、今後は2番目、3番目というふうに拠点を増やしていければと考えています。そのひとつが、淡路島。多様な人やモノ、情報にふれられる場所を築いて、組織に所属しながらもオープンなつながりを広げていきたいです。今は、淡路島の人たちが運転する車の後部座席に乗って案内してもらっている感じなのですが、ゆくゆくは自分が運転席に座っていろんな人や情報を有機的に結びあわせて、新しい価値観やムーブメントを生み出していきたいです。

自分たちの暮らしを、自分らしく、つくりこんでいく。

“ワーケーション”という言葉が認知される前から、暮らしやはたらき方のなかに、その生き方を取り入れてきたフロンティアの人たち。彼らが見てきた”これまで”と”現在地”を伺いながら、これからの私たちのライフスタイルを考えてみます。今回お話を伺うのは、都市や地方でバンライフを取り入れながら、新しい暮らしを常に実装してきた渡鳥ジョニーさんです。

(聞き手:No.24 藤田祥子)

渡鳥ジョニー

2004年慶應義塾大学環境情報学部卒業。在学中に始めたウェブ制作のスキルを活かし、外資系広告代理店で、Webエンジニアリングとデザインを担当。2007年よりフリーランスに。Googleのキャンペーンボーイとして全国各地をまわる。2011年に熊本へ移住し、「古民家リノベ」「高品質低空飛行生活」など震災後の暮らし方を模索。2014年に「札幌国際芸術祭」への出展を機に札幌へ転居。2018年東京に戻り、ベンツをマイホームに「都市型バンライフ」を開始。現在は、妻のはる奈さんとバンライフを満喫しながら、定額制コリビングサービス「LivingAnywhere Commons」八ヶ岳拠点にて、プロデューサー兼コミュニティーマネージャーを務める。
https://vldk.life
https://van-a-table.life
https://twitter.com/jon_megane

-ジョニーさんが実践されている「Vanlife(バンライフ)」についてお伺いできますか?

欧米を中心に、家をもたずに一握りのものを携えて、バンで暮らす若者が増えています。「車上生活」と単純に翻訳してしまうのはもったいないほど、彼らは自由なその生活を楽しんでいます。自分たちのライフスタイルを自分でつくり込んでいくことが、バンライフの大きな特徴で、20世紀型の資本主義を脱却しようというムーブメントの影響を大きく受けています。

僕自身は2018年にきっかけがあって、北海道から東京へ戻ってきました。そこではじめたのが「都市型バンライフ」でした。戻ってきた東京は相変わらず高い家賃で、そのために満員電車に揺られて仕事に行く。地方で自由にのびのびと暮らしていた自分にとっては窮屈でしかなかったんですよね。僕はいろんなことに縛られるのが嫌いなので、東京でも、もっと自由に、もっと豊かに暮らすには?と、考えたどり着いた方法が「都市型バンライフ」でした。

車内にはベッドはもちろん、キッチンも備えてある

幸いにも戻ってきた東京には、シェアサービスが充実していました。Wi-Fiもあちこちにあるし、シェアリングエコノミーの実験場である永田町GRiDには、キッチン設備もあったり、洗濯宅配サービスがあったり。フィットネスジムに行けばジャグジーにもはいれます。寝る部屋と本当に必要だと思うものを車にのせて、あとは全部シェア。永田町でホームレス、ベンツに乗って駐車場で寝泊まりするという暮らしをはじめました。

―いま停泊している八ヶ岳では、「LivingAnywhere Commons 八ヶ岳」の運営を手掛けているそうですね。その活動についても伺えますか?

あらゆる制約に縛られることなく、好きな場所で、やりたいことをして暮らす生き方を実践するための”コミュニティ”が、LivingAnywhere Commonsです。現在は、南は沖縄から、北は岩手県の遠野など日本全国11カ所に展開しています。そのなかで、僕が担当しているのが八ヶ岳です。

ジョニーさんが運営を担当する、LivingAnywhere Commons八ヶ岳北杜

東京から2時間でアクセスできる場所で、保養所とボーリング場の跡地を活用した3000㎡という広大な敷地。正直ここに来たときは「中途半端だな」と感じました。建物をつくり込むには広すぎる、さらにお金もかかるし、どうしようかと。これは知恵が必要だなということで考え抜いて出た答えが「お外からはじめよう」でした。

八ヶ岳の拠点は、単にキャンプやワーケーションができる場所をつくりたいわけでもありません。『休暇に自然の中でキャンプを楽しんだり、温泉に入ったりして、その傍らで籠もって仕事する』となると、休日に働いているのと変わりません。新しいライフスタイルが生まれるような、イノベーティブな場にしたいと考えました。

屋外でものびのびと仕事ができるように、電源・Wi-Fiに困らない仕組みも実装済み

-Be Outsiders(アウトサイダーズ)という言葉も、気になります。

この言葉にはいくつかの意味を込めています。僕が指す「お外」というのはお家の外だけではなくて、都市の外、想像の外、常識の外などです。Outsidersというのは、辞書で調べるとネガティブな言葉なんですよね。でも常識とされていたものが非常識になる、これまでは世の中ではアウトだったものがセーフになっていく。これまで積み上げてきたものをバラして、一度ゼロベースでつくりなおしてみる。そういう意味で、もう一回お外からはじめてみようというメッセージを打ち出しました。

といってもまだはじめたばかりで、ここにはまだ何もありません。2022年に100%オフグリッドの目標を掲げ、自分たちの手でつくっていっているところです。

妻のはる奈さんとともに、バンライフを一生続けていくのがジョニーさんの夢

―これから、ここをどんな場所に育てていかれるのですか?

僕たちが実践しているバンライフは、実はオフグリッドの問題を抱えています。いま目指しているのは、衣食住や水光熱、トイレやお風呂に至るまで、通常のインフラの制限から解き放たれ、自分たちで暮らしをつくれるようにしたいと思っています。そこでこの八ヶ岳も、2022年のオフグリッド化を目指して動いているところです。

先進的な設備を備え、ものづくりができるFABも整備中

僕たちのように「自分たちの暮らしを自分たちでつくりたい人たち」に、まずはここに集まってきてもらえたら嬉しいなと思っています。バンライフを始めている人たちは消費文化に疑問を持っている人が多くいます。自分たちの欲しいものを自分なりにつくるという人たち、そういう人たちをぼくはメイカーズと呼んでいます。

メイカーズ、シフターズ、ローカルズの3つのターゲットを想定している。

僕がそうだったように、自分の理想とするライフスタイルを実現するための実験場としてここを使っていってもらえたら嬉しいですね。

「こんなことやりたいな」というアイデアを形にできる、そしてそこに集まる人たちでアイデアを磨いていく。そんな場になれば、もっともっと新しいライフスタイルが広がっていくんじゃないかなって思います。

―ここに来れば、なにか自分にも化学反応が起こるかもしれない!とわくわくしますね。

そうですね、僕もそういう場所にしていきたいと思っています。ただのワーケーションの場でもないし、ただのキャンプ場でもない。オンとオフを細かく繰り返しながら、自分の暮らしやはたらき方をチューニングしていく。なにかものをつくったり、仕事をしたり、焚き火をしたり。暮らしとはたらくことの境界線がゆるやかで曖昧になっていく。

なにか学びがあるというより、アンラーニングに近いかもしれません。ふらっとここに来ることで「あ、こんな暮らしできるんだ」って発見してもらえたらいいなって。そんな中でさまざまな人たちに新しくておもしろいことが生まれていく、そういうきっかけをみなさんに掴んでもらえるよう場所を作っていきたいと思います。

LivingAnywhere Commons
全国11拠点(※)に展開している多拠点コリビングサービス。場所やライフライン、仕事など、あらゆる制約にしばられることなく、好きな場所でやりたいことをしながら暮らす生き方(LivingAnywhere)の実践を提唱している。同サービスのメンバーになることで、日本各地に設置したLivingAnywhere Commonsの拠点の共有者となり、仲間たちと共生しながら、自宅やオフィスにしばられないオフグリッド生活を体感、理想のLivingAnywhereを実現するための技術やアイデアの共創、刺激に満ちた環境に身を置くことができる。
https://livinganywherecommons.com/
※2020年11月現在

Photo: ©Van à Table